環境汚染にもどる

t28305#野鳥や犬の農薬死がつづく〜高知、埼玉、鹿児島の事例#15-03
★高知市:犬毒死事件
 昨年、東京都大田区では、40匹以上の猫の連続惨殺事件(農薬等を用いた事例もある)が発生、その後、犯人は逮捕され、現在、動物愛護法違反の疑いで、裁判中ですが、高知新聞によると、高知市内では、犬の毒餌事件が続いているそうです。最近5年間で、少なくとも10頭以上の犬が犠牲になっているとのこと。昨年12月には、毒入りちくわを食べた犬が泡をふいて死に、本年2月14日と15日にも、公園や団地の路上に農薬と思われる緑色の餌、クッキー、ダンゴなどが見つかり、食べた犬が中毒を起こしたそうです。警察が巡視を強化しているとのことですが。

★埼玉県:カラス病死、ムクドリ等農薬死
【参考サイト】埼玉県:1/07 
カラス81羽の死亡事例がありました検査結果(1/21)
           1/24 宮代町内でムクドリ5羽の死亡事例がありました
           3/13 新座市内でヒヨドリ29羽の死亡事例がありました
 埼玉県環境部みどり自然課は、1月5日から7日に、入間市や狭山市、所沢市、熊谷市でカラス111羽の死亡事例があったことを発表しました。鳥インフルエンザは21検体ですべて陰性、農薬などの毒物の検出はなく、多くの検体では胃の内容物がなかったということでした。
 その後、国立環境研究所で5羽及び埼玉県中央家畜保健衛生所で9羽の細菌検査、病理検査等がなされ、クロストリジウム属細菌が検出されたため、同菌の感染による壊死性腸炎が原因で衰弱死したと推察されています。
 1月23日には、南埼玉郡宮代町中島地内でムクドリ5羽の死骸がみつかり、4羽について、県環境科学国際センターで薬物検査をしたところ、今度は、胃内容物に有機リン剤イソキサチオンが検出されました。
     3月11日には、新座市野寺2丁目で29羽のムクドリが死んでいるのがみつかり、4羽から殺虫剤メソミルが検出されました。
 これらの農薬の野鳥死亡との因果関係は不明ですが、県は、周辺住民に対し農薬の適正な使用について周知徹底するとしています。

★鹿児島県:有機リンでカモ160羽大量死
 鹿児島県出水市は、渡り鳥であるナベヅルやマナヅルの飛来地として有名で、小麦や玄米などで餌付けもされています。昨今は、鳥インフルエンザ拡大を防止するため、県は野鳥死の原因調査を継続的に行っています。その中で、ウイルス検査が陰性で、死因不明のものもあります。
県の発表によると、市内で2月13日〜27日までにマガモなど160羽の死骸が相次いで見つかり、ウイルス検査での陽性は1羽で、県環境保健センターで調べたところ、胃や食道から大量の米がみつかり、米にはダイアジノンが最大86ppmとマラチオン0.20ppmが検出されたとのことです。
ダイアジノンはマガモに対する半数致死濃度が低く(混飼試験で、マガモ30、ニホンウズラ900 mg/kg飼料)、中毒死の可能性が高い上、死んだカモが食べたのは殆どが精米で、玄米の残留基準は0.1ppmであるため、何者かが故意にダイアジノンを混合した米をまいた疑いがあるとして、鳥獣保護法違反で、県警に捜査が委ねられています。

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作成:2015-04-30