ダイオキシンにもどる
t28306#埋設POPs系農薬と沖縄の枯れ葉剤・ダイオキシン汚染その後#15-03
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【参考サイト】農水省:埋設農薬の管理状況と道府県別処理・管理状況(2014/10)
1971年に使用禁止されたBHCやDDT、ドリン剤などのPOPs系農薬(難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性の有機塩素剤)は、農水省の指示で、土中埋設されました。農水省は、昨年11月27日、埋設POPs系農薬について、2014年10月現在の処理状況を公表しました。記事t26905では、2013年の同期の状況を報告しましたが、未処理のまま残っていた約338トンのうち、その後の一年で、無害化されたのは約12トンで、現在、新潟県に173トン、長野県に9トン、鳥取県に143トン、合計326トンが残っています。これらは、建物の下にあったりして、処理し難いもので、適切な管理を継続する必要があります。
同じ時期に、ダイオキシン類を含む2,4,5−T系除草剤なども、林野庁の指示で、全国50個所で土中埋設されましたが、これは無害化処理ではなく、目視による監視がつづけられているだけです。
★沖縄:アメリカ軍枯れ葉剤の遺物
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【参考サイト】沖縄・生物多様性市民ネット:ブログ
沖縄市:Top Page
沖縄防衛局:Top Page、管理部からのお知らせに埋設ドラム缶等の調査データあり。
2,4,5ーT、ダイオキシンといえば、アメリカ軍がベトナムでの戦争で大量使用した枯れ葉剤(オレンジ剤)の成分でもあり、2007年、アメリカの退役軍人省が、戦争当時、沖縄に勤務していた兵士のオレンジ剤による障害の補償を認めた事実が明らかになって以来(ジョン・ミッチェル著「追跡・沖縄の枯れ葉剤」(高文研、2014年11月)に詳しい)、沖縄県民は、枯れ葉剤についての調査を強く求めています。
2013年6月、嘉手納基地跡にあるサッカー場の改修工事で、芝生の下から多くのドラム缶が発掘され、枯れ葉剤のメーカーDOWの社名があるものも見つかりました(83缶中34)。いままでに、83個のドラム缶付着物や埋設個所の土や水について、ダイオキシン類や2,4,5−T、2,4−D、ほかの調査が、沖縄市や沖縄防衛局によって実施されています。
★2,4,5−Tやダイオキシン類検出
ドラム缶付着内容物の分析では、すべての缶にダイオキシン類が検出されたほか、オレンジ剤成分の2,4,5−Tも一部で検出されましたが。2,4-Dは不検出でした。
データを解析した愛媛大学農学部の本田克久さんは、@2,3,7,8-四塩化ダイオキシンの含有比率が大きい。A枯葉剤の成分の 1 つ 2,4,5-T が検出。Bドラム缶の表示に枯葉剤メーカーのDOWの社名がみられる。CPCP由来と考えられる八塩化ダイオキシンも検出されている、D発見場所が米軍施設跡地であることを考慮すると、埋設されたものは除草剤のみでなく、枯れ葉剤も含まれていた可能性はあると考えられると、コメントしています。
しかし、沖縄防衛局はダイオキシン汚染は日本の環境基準(土壌1000pgTEQ/g)を超えなければ、汚染源は問わないとでもいうかのように、@ドラム缶の外見から枯れ葉剤を示唆するものはない。A2,4,5-Tはかつて日本国内でも広く利用された農薬である。Bオレンジ剤は、2,4−Dと2,4,5−Tを等量混合したもので、等量で存在した可能性は高いとは言えない。としています。
沖縄では、キャンプ瑞慶覧でも埋設ドラム缶が発掘され、嘉手納では、新たに17缶が見つかりました。沖縄に住む人たちがダイオキシン被害を受けていないかの調査が実施されていないことが気がかりです。
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作成:2015-03-30