農薬の毒性・健康被害にもどる
t28402#2015年度の農薬危害防止運動への要望と質問を提出#15-04
【関連記事】2014年度:記事t27203、記事t27301、記事t27403、記事t28501
【参考サイト】農水省4月24日発表:
「平成27年度 農薬危害防止運動」の実施について
農薬危害防止運動実施要綱とポスター
反農薬東京グループの2015年度の農薬危害防止運動への要望と質問と5/15追加
5月7日、都道府県への2015年度の農薬危害防止運動等に関するお尋ねと
無人ヘリ・ドローンの追加質問
2015年度の農薬危害防止運動を前に、反農薬東京グループは、4月2日、農水省、厚労省、環境省あてに、昨年実施した危害防止運動に関する都道府県アンケート結果を添付して、以下の8項目全41件の要望と質問を送りました。
【1】農薬による人や野鳥などの危被害 7件
【2】住宅地通知 4件
【3】無人ヘリコプター空中散布 7件
【4】非農薬系の殺虫剤や除草剤等 3件
【5】農薬の適正使用と残留農薬 6件
【6】農薬登録制度 3件
【7】斑点米カメムシ防除とミツバチ被害 6件
【8】その他 5件
その中のいくつかの概要を以下に示します。
★農薬による人や野鳥などの危被害
(1-2)農薬を混入した毒餌による野鳥や小動物の殺害事件が絶えません。たとえ、死骸
の組織から農薬成分がみつかっても、原因不明とされたままで、対策として農薬の
適正な使用が挙げられるケースが殆どで、動物愛護法違反、鳥獣保護法違反、器物
破損容疑などで警察の捜査が実施されても、加害者が摘発されることは稀れです。
そこで、以下の要望と質問をします。
(1-2-1)野鳥や小動物、水産物、樹木を含む栽培作物等の被害のうち、農薬成分を用
いたと思われる事件について、2010年以後、容疑者が摘発された事例を教えてく
ださい。
(1-2-2)毒餌に使用される農薬の殆どは、劇毒指定のある農薬です。農薬危害防止運
動の通知には、例年、別記3「毒劇物たる農薬の適正販売強化対策」の2「毒劇
物たる農薬の適正販売強化対策」として5つの項目が挙げられていますが、前文
で紹介したように、事件は減りません。
これらの項目内容は、運動月間だけでなく、年間を通じて、必要なことです。
そこで、販売強化対策の項に、以下を追加してください。
・項のあたまに、「以下の事項については、運動月間だけでなく、年間を通じて
実施されたい。」と記載する。
・毒劇物指定農薬を販売する店では、購入に際して、身分証明書等により身元確認
をすることを明記した表示を行う。
・購入者には、毒劇農薬の使用・譲渡・廃棄等について注意事項を書いた書面を配
布する。
(1-3)-前略−私たちのいままでの要望事項にある『農薬使用者の農薬による健康被害
の防止のため、農業者や防除業者及びその家族の健康調査を実施し、結果を公表す
る』は実現していません。
3月20日、IARC(国際がん研究機関)は、汎用のグリホサート、ダイアジノン、
マラチオンの発がん性ランクを2Aとすることを発表しましたが、その理由として、
職業的な使用者に対するがんの危険性を挙げています。
健康調査結果の公表に加え、発がん性、生殖系や神経系、免疫系への農薬の影響に
ついて、農薬使用者や家族の疫学調査を早急に実施してください。
★住宅地通知について
(2-1)住宅地通知関係の窓口を設置されましたが、―中略―
・HPでは、相談窓口の電話しか掲載されていませんが、所在地も明記ください。
・窓口ルートを統一して、少なくとも、都道府県レベルで、相談内容が集約され
るようにしてください。農水省は、どこで、どのような報告があり、どのような
対策をとったかをまとめて、報告してください
・栃木県の市民団体による県下全市町村への住宅地通知のアンケート調査によると、
市町村レベルでも十分周知されているとは言い難い現実があります。
住民に一番身近な市町村区のレベルで、独自の指針を策定したり、広報や配布物
で宅地通知が徹底するよう、十分な指導をしてください。
★非農薬系の殺虫剤や除草剤等について
(4-2)グリホサートやネオニコチノイド系成分が、非農薬系商品として、生活圏で使用
されていますが、その使用状況は不明です。私たちは、なんども、両物質を化管法
(PRTR法)による指定物質として、場所別・用途別の使用量の届出を義務づける
よう、所管省に求めていますが、なかなか、実現しません。過去の質問に対し、農
水省は「非農薬系除草剤の使用量は知らない」と答えられていますが、ぜひ、化管
法指定物質とするよう所管省に求めるとともに、危害防止について、農薬並の対策
をとれるよう、早急に検討してください。
★農薬の適正使用と残留農薬
(5-1)農水省の農薬による危被害統計には、農作物に対する農薬の薬害件数などはでて
きますが、残留基準違反や有機農産物などへの飛散に関する被害統計はありません。
統計調査にいれるようにしてください。
(5-2)2013年、14年に、国産食品で残留基準違反となった事例(農作物だけでなく、畜
産品、魚介類も)をあげてください。
(5-4)ホウレンソウのアブラムシ駆除を目的に、クロチアニジン製剤の適用拡大がはか
られており、そのため、残留基準が3ppmから40ppmに引き上げられようとしています。
―中略―
(5-4-1)都道府県の担当部署の多くは、現在の農薬登録で不足がないとしている現
状をみても、大幅な残留基準緩和をしてまで、クロチアニジンのホウレンソウ
への適用拡大の必要性は認められません。なによりも、消費者は、残留農薬と
してクロチアニジンを摂取する量が増えることを到底受け容れられません。基
準緩和を止め、登録変更を認めないでください。
(5-4-2)すでに、野菜類のアブラムシ対策として、天敵のテントウムシ製剤やデン
プン系のアブラムシ用殺虫剤も登録されています。都道府県の中には、農薬を
使わない栽培方法を推奨しているところもあります。クロチアニジンは、ミツ
バチ等に被害を与え、人の神経系にも影響を及ぼすとして、欧米では、使用規
制されつつあります。
農水省は、このような農薬の使用を拡大するのでなく、規制を強化してください。
★斑点米カメムシ防除とミツバチ被害
(7-1)すでに、2014年3月までの、農薬によるミツバチ被害について調査結果をまとめ
られていますが、同年4月以降の調査結果を教えてください。
(7-5)コメの農産物検査法について、農水省では、1月〜3月にかけて「玄米の農産物規
格に関する情報交換会」を開催されましたが、その概要が公表されたものの(記事t28307参照)、
出席メンバーも議事録も公表されていません。―中略―農産物規格改訂のための公
開の検討会を開催し、そこでは、もっと消費者の意見を聞いて、斑点米カメムシ防
除の農薬がヒトや環境に被害を与えていることに重きをおいた制度改革を実行してください。
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作成:2015-05-27