農薬の毒性・健康被害にもどる

t28501#農薬危害防止運動の実施の通知−今年は4月24日に発出#15-05
【関連記事】記事t28402
      2015年度の都道府県別農薬危害防止運動
    農水省ほか:要望全文無人ヘリに関する追加質問
     都道府県:質問ドローン型等追加質問


【参考サイト】農水省発表:「平成27年度 農薬危害防止運動」の実施について
         農薬危害防止運動実施要綱ポスター
          ミツバチ被害と農薬Q&A:5月改訂版

 農薬危害防止運動について、私たちは、4月2日に、要望と質問をだしましたが(記事t28402参照)、回答が来ないまま、4月24日、農水省、厚労省、環境省の3局長連名通知が、実施要綱とともに、都道府県知事、保健所設置市市長、特別区区長など宛に発出されました。
 原則、6月から8月の3ヶ月間実施されるわけですが、その内容が、前年と比べて、どのように変ったかを調べてみました。

★住宅地通知や無人ヘリ空散について
 昨年の実施要綱では、住宅地での使用の記述が簡略化されましたが、今年は、「公園、街路樹等一般場面」の項に、住民へ事前周知すべき内容に、「農薬の使用目的」「使用者等の連絡先」が追加され、「立入制限範囲の設定等により、農薬散布時や散布直後に農薬使用者以外の者が散布区域内に立ち入らないよう措置を講じること。」の記述が入りましたが、きちんと実施されているかどうかの住民による監視が必要です。
 無人ヘリコプター散布については、昨年「無人ヘリコプター利用技術指導指針」が改訂され(記事t27703)、通知「空中散布等の報告要領」で、都道府県ごとの実施計画・実績報告先や、事故情報の連絡先機関の一覧が公表されていますが、本省や地方自治体が知った情報は抱え込むことなく、HPできちんと公開し、住民への周知を徹底すべきです。また、事故については、反農薬東京グループの要望でも触れている、ドローン型小型無人ヘリの普及に伴う事故防止対策としての新たな法の制定を真剣に考えてもらいたいものです。

★ヒトや環境被害防止について
 ヒトの農薬誤飲事故防止については、移し替えないよう、食品の空容器を農薬保管庫近くに置かないとの注意が追加されたくらいです。
 農薬によるミツバチ被害防止対策については、前年から大幅に変りましたが、その内容は、昨年6月の通知「平成26年度の水稲の開花期に向けた蜜蜂被害軽減対策の推進について」(26消安第1683号・26生畜411号)にある事項(農薬使用者と養蜂者の連携を密にし、農薬散布情報を共有化し、巣箱避難などを実施することに加え、農薬散布する場合、8-12時の散布をやめる、ミツバチが被曝しにくい粒剤の田面散布をするという指導)が追加されただけでした(記事t27501参照)。斑点米カメムシ対策の農薬散布規制を求める私たちの意見実現のための活動は、まだまだ、必要です。
 水系汚染防止については、「特定の農薬を地域で集中して使用する場合、その農薬に感受性の高い生物種に著しい被害が生じるおそれが懸念されることから、できるだけ集中させず多様な農薬を組み合わせて使用するように指導するよう努める。」との記述が追加されました。これは、水稲育苗箱剤によるアカトンボの激減やネオニコチノイド系農薬の水産生物への影響が大きいことを念頭においた指示でしょうか。今後、注視して行きたいと思います。
 ペット被害を例にあげ、「本来の目的や使用方法以外で農薬を使用しない」とありますが、野鳥による農作物被害防止のために、農薬を使用する事例もあげてもらいたいものです。
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作成:2015-05-27