ネオニコチノイド系農薬・斑点米関係にもどる

t30701#北海道に斑点米カメムシ対策の農薬散布中止を求めたが〜「防除情報の共有を図る」など、農水省対策に追従するのみ#17-03
【関連記事】記事t29901記事t30002記事t30101記事t30401
【参考サイト】農水省:蜜蜂被害事例調査(平成25年度〜27年度)の結果及び今後の取組について
           概要報告書通知28消安第1716号/28生畜第509号
           農薬による蜜蜂への影響についての頁にある我が国の取組(2016/11改訂)(pdf版)
        北海道立総合研究機構・道南農業試験場
           第17回道南農業新技術発表会(2015年) 「農薬を減らしても斑点米は増えません」

 昨年公表された農水省の三年間の農薬によるミツバチ被害調査の結果、斑点米カメムシ防除用農薬によるミツバチ大量死が、抑制できなかった地区として、北海道が名指しされました。農水省による「農薬による蜜蜂の危害を防止するための我が国の取組(2016年11月改訂)」には、以下のように指摘されています。

・北海道における被害事例の報告数は、35 件/ 69 件(平成 25 年度)、27 件/ 79件(平成 26 年度)、29 件/ 50 件(平成 27 年度)となっており、被害が減少しませんでした。
・北海道では、「農薬使用者・養蜂家間の情報共有」等の取組は進んでいるものの、「巣箱の設置場所の工夫・退避」」に関する取組は進んでいません。なお、北海道からは、「巣箱の設置場所の工夫・退避」を実施できなかった理由として、「採蜜が可能な巣箱の退避先がない」、「退避には労力が必要」、「費用対効果を考えて、動かない」との報告も寄せられています。

 そこで、私たちは、2月1日に、北海道へ要望「斑点米カメムシ対策の農薬散布をやめてください」を送り回答を得ました。その概要を紹介します。前文、要望理由、質問の詳細は、下記をご覧ください。

   反農薬東京グループの北海道への要望と回答
【要望1】斑点米カメムシ防除を目的としたネオニコチノイドほかの農薬散布をやめてください。

  [回答]斑点米カメムシ防除を目的としたネオニコチノイド農薬については、米の安定生産、
   良質米生産に向けて、使用基準に基づき、適切に使用されております。
   一方、蜜蜂の被害防止に向けては、使用時期、使用時間の調整、剤の変更などを促すとともに、
   水稲生産者と養蜂業者双方における防除情報の共有を図っています。
  [コメント] 適切に使用しても、ミツバチ被害が抑えられないという現実に対処するには、
   "使用しない"が唯一の解決法です。

【要望2】斑点米カメムシ防除のための農薬散布をやめた生産者には、斑点米対策に要した経費を
     補助する制度を作ってください。

  [回答]北海道では、化学肥料、化学合成農薬の使用を抑えるクリーン農業に取り組んでいるとともに、
   農業者等が化学肥料・化学合成農薬の5割低減の取組とセットで地球温暖化防止や
   生物多様性保全といった営農活動の取り組みに支援しておりますが、
   特定の農薬のみの削減(未使用)に対して支援することは、難しいものと考えています。
  [コメント]カメムシ防除は特定の農薬使用ではない。また、特定の農薬の削減はできない
   というのなら、農薬の規制はできない。

【要望3】ミツバチをはじめとする自然界のポリネーターのために、農薬で汚染されない、蜜源、
   餌場や生息地を確保してください。
  [回答]ポリネ一夕ーと農薬の関係については明らかになっておりませんが、農薬による蜜蜂の
   被害防止に向けて、巣箱を退避させることが可能な場所の確保の検討等の対策を推進しています。
  [コメント]農薬がポリネーターにとって危険因子であることは科学的な事実。

【要望4】北海道での作物栽培について、農薬による種子処理や土壌処理の実施状況を教えて
   ください(以下は質問概要)。
 ・米、麦類、大豆、トウモロコシ、テンサイの栽培に、農薬による土壌処理や種子消毒はどのように
  実施されているか種子処理は、国産種子と輸入種子にわけて)、作物別にどのような農薬で
  処理されているか。
 ・作物別、農薬種類別の種子及び土壌処理面積も延べで教えてください。

  [回答]農作物の安定生産や、生育を確保するため、主要作物においては必要に応じて、
   使用基準に基づき、農薬の種子処理が適切に行われております。
   一方、たとえば水稲種籾では種子の温湯消毒や食酢による消毒など、できるだけ薬剤に
   よらない防除法も広く活用されています。
   土壌処理については、土壌病害虫の発生状況に応じて実施されています。
   これについても、センチュウの対抗植物利用など、薬剤によらない防除法として推奨しております。
   農薬による種子消毒は、吹き付けや粉衣、塗抹、コーティングといった方法により行われております。
   土壌処理は、耕起前の土壌施用粒剤処理や液剤散布などの方法により行われております。
   作物毎に使用できる薬剤は、農薬登録時に定められており、成分等については農薬登録情報で
   確認することができます。
   国産種子については、農薬登録されている薬剤をもって処理されており、輸入種子についても、
   国内における農薬取締法の範囲内て使用可能な薬剤の処理がなされているものと理解しております。
   作物別、農薬種類別の種子及び土壌処理面積については、道として把握しておりません。
  [コメント] 能書きばかりで具体的な答えがない。

購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。

作成:2017-03-30