食品汚染・残留農薬にもどる

t30705#国産シュンギクほかで残留農薬違反が続出#17-03
 昨年12月以降判明した国産農作物の残留基準違反事例を紹介します。

★シュンギク、ミズナは要注意
【群馬県での違反】
【参考サイト】群馬県;県産「しゅんぎく」からの残留農薬の基準値超過について

 12月2日、県の農産物等安全検査で、JA前橋市管内の農家が生産したシュンギクから、有機リン剤フェニトロチオン(MEP、スミチオン)が0.67ppm(残留基準0.2ppm)検出されたため、県は出荷団体のJAに回収を要請しました。原因究明の立入検査の結果は不明です。同県では、2006年、無人ヘリコプターによる有機リン剤散布の自粛が要請されましたが、圃場での地上散布までは、規制できていないようです。

【岩手県での違反】
 12月9日、シュンギクに有機リン剤ダイアジノンが0.7ppm(基準0.1ppm)検出されたとして回収が命じられました。八幡平市の農家が適用外使用したそうです。

【大阪府での違反】  府の12月21日公表の食品回収情報によると、和泉市のJAいずみのの自主検査で、農協朝市で12月10日から18日に販売されたミズナからエトフェンプロックス、トリフルミゾール、トルフェンピラドが基準値を超えて検出されたことがわかました。

【茨城県での違反】
【参考サイト】茨城県:「しゅんぎく」の自主回収について

 札幌市保健所の収去検査で、茨城県行方市のJAなめがたが出荷したシュンギクに、トリフルラリンが0.15ppm(基準値0.05)検出されたため、1月21日から自主回収が実施されました。1月中旬に、茨城県,埼玉県,東京都,神奈川県および長野県の市場に出荷されたとのことです。

★群馬県産のイチゴからホスチアゼート
【参考サイト】群馬県;県産「イチゴ」からの残留農薬の基準値超過について

 2月17日には、群馬県の収去検査で、同県JAたのふじ(お詫び)が出荷したイチゴにホスチアゼートが0.08ppm(基準0.05ppm)検出され、自主回収が指示されました。448パックが出荷されたとのことです。
 ホスチアゼートは、ネマトリンエース粒剤などの商品名でしられている土壌殺虫剤で、07年2月に隣県の栃木県で、多数のイチゴ農家が、粒剤を水に溶かして施用するという、不適正な使用を行ったため、農協ぐるみというべき残留基準違反がありました(記事t18803参照)。

★その他もろもろ
【参考サイト】岡山大学:除草剤散布の野菜を販売したことに関するお詫び(2/21)
       小林製薬:Top Pageお詫びとお知らせ
       豊橋温室園芸農業協同組合:Top Pageお知らせ(3/17)

 岡山大学は、2月21日、同大農学部関連施設で、栽培・販売したシュンギクに、誤って除草剤(バスタ液剤:グルホシネート含有)を散布してしまったとのことです。
 さらに、2月には、小林製薬が通信販売しているプロポリス配合食品「セザールおじさんの赤いプロポリス」に、自主検査の結果、ロテノンが1.1ppm(一律基準0.01ppm)検出され、自主回収されました。ロテノンはデリスという植物由来の殺虫剤で、劇物指定の水質汚濁性農薬であり、2006年に登録失効しています。
 3月には、豊橋温室園芸農業協同組合が出荷した食用金魚草に、有機リン剤プロチオホスが一律基準を超える0.02ppm検出され、自主回収されました。この農協では、昨年7月にも、ローズマリーでフルフェノクスロンが基準を超える13.8ppm検出されましたが、同一ハウス内で他作物に使用した農薬の飛散が原因だったとしています。

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作成:2017-03-30