農薬の毒性・健康被害にもどる

t30906#農薬出荷量の推移2015年度も相変わらず有機リン剤がワーストワン#17-05
【関連記事】記事t27204(2007-2012年の農薬別出荷量推移)
【参考サイト】環境リスク研究センター:農薬データベース

 記事t30806では、2015年までの食品による農薬別摂取量を示しましたが、本号では、農薬別の出荷量がどのようになっているかを、代表的な5種の農薬に絞り、環境リスク研究センターの農薬データベースで、調べた結果を報告します。

 右図は、有機リン23種、有機カーバメート15種、ピレスロイド15種、ネオニコチノイド7種、IGR(昆虫成長制御剤)12種について、各成分合計出荷量の2006-15年間での推移です。
 有機リンは、2006年約4100トンが2015年には、ほぼ半減して約2008トンとなっていますが、それでも、種類別では1番多く、第二位のネオニコチノイドの5倍程度の出荷量です。
 ネオニコは、この10年間頭打ちで年400数十トン。有機カーバメートは減少傾向にあり、2015年には、年間300トン台で3位の座にあります。ピレスロイドは200トン以下、IGRは100トン前後で推移しています。
 農薬別2015年の出荷量を成分ごとに表に示しました。MEP(フェニトロチオン、商品名スミチオン)だけで、400トンを超え、全ネオニコチノイド量に匹敵します。ネオニコチノイドは、ジノテフランが一番多く167トンで、これは全ピレスロイド量とほぼ同じです。
 このほかに、農薬輸出や農薬以外の用途を無視してはなりません。表に原体輸出量を示しましたが、MEP(スミチオン)806トン、アセタミプリド566、クロチアニジン438、ブプロフェジン584、エトフェンプロックス311トンとなっています。非農薬使用として、BPMCは23トンがシロアリ防除や防疫用に、農薬登録が失効したDDVPは年間52.0トンがゴキブリ駆除用殺虫剤など身の回りで使われています。ピレスロイドやネオニコの非農薬系での使用量は不明です
  表  2015年度の農薬別出荷量と輸出量 (単位:トン。出典出荷量は農薬DB、輸出量は農薬要覧2016)

  農薬名           出荷量   原体輸出量     農薬名           出荷量   原体輸出量
  有  MEP    411.156  806.3        ネ アセタミプリド     51.485     565.9 
  機  ダイアジノン347.474                 オ イミダクロプリド   65.994
  リ  アセフェート300.423                  ニ クロチアニジン     75.602     438.1
  ン  DMTP   118.39                  コ ジノテフラン      167.349     220.8
      マラチオン   107.528                チ チアクロプリド     12.742 
    23成分合計  2008.306                  ノ チアメトキサム     49.205
  カ  NAC      51.305                 イ  ニテンピラム    6.488
  |  メソミル     64.176                 ド 7成分合計         428.865
  バ  BPMC     41.089     16.0       
  メ  ベンフラカルブ42.761    316           ピ  ペルメトリン       13.251
  |15成分合計   298.86                    レ  シラフルオフェン    21.712	
  ト                                         ス  シペルメトリン     12.414
  I ブプロフェジン  64.471    584.2        ロ  エトフェンプロックス85.539    311.0
  G テブフェノジド  12.013                 イ  フェンバレレート      9.03    6.8
  R 12成分合計   101.63            ド  15成分合計         166.33  

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作成:2017-05-25