食品汚染・残留農薬にもどる

t31304#56品目の農薬等の残留基準が削除されたが、健康影響評価は必要#07-09
【参考サイト】厚労省:食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(案)のパブコメ募集
          ・食品中の農薬等(2,2−DPA等56品目)の残留基準設定について(8/23締切)と参考資料
            反農薬東京グループ:パブコメ意見

 厚労省は、多くの場合、農薬の残留基準を新たに設定したり、基準を緩和して、農薬使用の増大を推し進めてきました。2003年のポジティブリスト制度施行時には、明確な残留試験データのない農薬等758 品目については、国際基準やアメリカ、EU、オーストラリア、豪州、カナダ及びニュージーランドの基準値などを横滑りさせ、暫定的な残留基準を定めました。基準のない食品と農薬の組合せには、一律基準0.01ppmが適用されてきました。その後、暫定基準は、次々と見直されており、日本で登録が失効したり、国際的にも使用されなくなった農薬等については、暫定残留基準は削除され、一律基準となっています。
 7月27日から実施された残留基準改定のパブコメ意見募集では、動物薬の抗生物質類を含む56 品目の農薬等の残留基準を削除する案が提示されました。
 厚労省は、以下のような理由を挙げ、これらが国内において残留する食品が流通する可能性は非常に低いことから、基準値を削除するとしました。
 ・改めて暫定基準を確認したところ、56 品目において国内の食用及び飼料の用に供される
  農作物に使用される農薬の登録、飼料添加物としての指定又は食用に供される動物
  (食用に供される乳、卵等の生産物を生産している動物を含む)を対象とする動物用
  医薬品の承認がなく、また、国際基準が設定されていないことが確認された。
 ・当該 56 品目について、海外主要国を含めた52ヶ国・地域に対して、我が国の基準値の
  設定の要望の有無と基準値設定に必要なデータの提供を求めたところ、基準値設定
の要望等がなかった。
 ・過去 5年間の輸入時検査において当該 56 品目の検出事例は認められていない。
 これに対して、反農薬東京グループは、以下の意見を述べました。
        ** 反農薬東京グループのパブコメ意見**
  【意見1】今回、残留基準を廃止した農薬成分29品目のうち、日本で登録のない
   アザメチホスなど15、登録失効した2,2−DPAなど8(このうちフェノトリンは
   医薬品や動物用医薬品として使用されている)、登録は有効で芝や樹木・花卉な
   どの非食用作物に適用されるエンドタールなど6成分(このうち、フルプロパネートは
   ナトリウム塩がテトラピオンとして登録)がある。

   これらの残留基準を廃止することには、賛成だが、以下については、非食用作物
や
   飼料作物における使用、動物薬や医薬品としての使用により、使用者や散布地周辺の
   住民の大気汚染 による被曝や環境汚染による二次的な食品や水道水等の汚染につながる
   恐れがあるので、食品安全委員会にADIやARfDなどを含めた人の健康影響評価を
   求められたい。また、残留調査や環境調査を実施されたい。
    (1)フェノトリン(農薬登録ないが、シラミ駆除剤、イヌ・ ネコ用ノミトリ剤)
    (2)エンドタール(農薬除草剤)
    (3)テブチウロン (農薬除草剤)
    (4)トリフロキシスルフロン (農薬除草剤)
    (5)2-(1-ナフチル)アセタミド (農薬植物成長調整剤)
    (6)フルプロパネート(ナトリウム塩の 別称はテトラピオンとして農薬除草剤)
    (7)フロラスラム(農薬除草剤)

  【意見2】合成抗菌剤または抗生物質である 20 品目については「含有してはならない。」
   となっているが、それぞれの成分の測定方法と検出及び定量限界値を示されたい。
 

【参考サイト】厚労省のパブコメ意見募集(10/03締切);
          ・食品中の農薬等(DCIP等13品目)の残留基準設定等)について(10/03締切)と参考資料
   10月3日締切の残留基準案パブコメでは、フィプロニルについて、1部の食品で、残留基準の削除が提示されたが、ソバなど55食品の現行基準0.002ppmを削除し、一律基準0.01ppmに緩和されている。

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作成:2017-09-25