ネオニコチノイド系農薬・斑点米関係にもどる

t31403#野生のハナバチ類に検出されたネオニコチノイド系農薬#17-10
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【参考サイト】日本環境化学会:Top Page第26回環境化学討論会プログラム

 千葉工業大学の亀田豊さんは、今年の第26回環境化学討論会で、「野生及び養蜂家の飼育する蜂類体内中ネオニコチノイドの国内汚染状況の把握と生態リスク評価」と題する研究発表を行いました。

★研究方法など
 同研究室では、ネオニコチノイドによるミツバチの個体群の減少を評価するには、成虫のみならず、蜂の巣を構成する、女王蜂、幼虫、さなぎ、成虫、食糧であるはちみつや花粉についてネオニコチノイド含有量を調査し、その暴露状況と巣の異常状態との関連性を比較検討していくことが重要である、として、野生の蜂個体群、養蜂家の飼育するミツバチ、さらにはミツバチと生活史や行動範囲が類似しているスズメバチをさまざまな機関の協力を仰ぎ収集し、国内における蜂個体群のネオニコチノイドの汚染状況の把握と蜂の異常状態の関連性を検討するとともに、CCD をエンドポイントとした生態リスク評価を行っています。
 調査は、野生に生息するミツバチ及びスズメバチの巣、女王蜂、幼虫、さなぎ、成虫、はちみつ、花粉は、国内の駆除業者に依頼し、サンプルの提供を受け、イミダクロプリド、ジノテフラン、アセタミプリド、ニテンピラム、チアメトキサムなどの分析が実施されました。
 ここでは、討論会の要旨集で報告された野生の蜂の個体に検出されたネオニコチノイド濃度を紹介します。

★ミツバチ蛹にもネオニコチノイド検出
 分析結果の図(省略)と概要は以下のようです。ミツバチは千葉県流山市と茨城県土浦市で、スズメバチは茨城県古河市で採取されました。
  図 野生ミツバチ、蛹、スズメバチ中のネオニコチノイド濃度(省略)
 ・土浦のミツバチでは、働き蜂成虫に、アセタミプリドが1ng/gを超えたり、チアメトキサムが
  0.8ng/g超える検体があった。
 ・土浦の蛹には、チアメトキサムは0.8ng/g検出され、幼虫が花粉やはちみつを介して
  暴露している可能性を示唆している。
 ・流山のミツバチ蛹には、イミダクロプリドが5ng/gを超えて検出されたほか、チアメトキサムも
  検出された。
 ・検出されるネオニコチノイドの種類は、地域により異なっており、使用状況が異なることの
  反映と思われる。
 ・古河のコガタスズメバチから40μg/gを超えるイミダクロプリドが検出され、これは
  土浦のミツバチ成虫よりも著しく高濃度であった。
 ・花粉や蜜を主要な餌としないスズメバチは、樹液や他の昆虫を介して暴露している
  可能性があり、花粉や蜜以外を餌とする幅広い昆虫や昆虫の食物網を考慮した体系的な
  暴露調査が必要と考えられる。

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作成:2017-10-27