ネオニコチノイド系農薬・斑点米関係にもどる
t31503#EUでのフィプロニルの農薬登録はどうなったか〜メーカーと農水省に尋ねた#17-11
【関連記事】記事t31405
【参考サイト】BASFジャパン:Top Page
フィプロニルを含むシロアリ防除剤セプティバDRYの安全データシート、ターミドールHE
記事t31405で、EUでのフィプロニルの農薬登録が失効したことを紹介しましたが、この件について、ドイツのメーカーの関連会社であるBASF(ビーエーエスエフ)ジャパンと農水省へ問合せた結果をお知らせします。メーカーに比べ、農水省の回答が、いかに不誠実かがわかります。
★BASFへの質問と回答
反農薬東京グループから農水省、BASFジャパンへの質問と回答
EUでのフィプロニル登録失効に関してのお尋ね
【質問1】EUでのフィプロニルの登録期限が本年9月30日になっているが、その後、登録更新や適用の変更はされたか。
野菜・果樹などへの散布、種子消毒としての適用、家畜への適用、イヌ・ネコなどのペットへの適用ごきぶりなど衛生害虫への適用、アリその他の不快害虫についての適用などにわけて、教えられたい。
[回答]フィプロニルは70か国以上で100以上の作物に登録されており、農業、園芸作物の種子処理、害虫駆除において重要な役割を果たしています。
1年以上前、BASFは投資に対する回収が低いためヨーロッパにおける種子処理の登録を延長しないことを決定しました。*
フィプロニルはEUにおいて2023年までバイオサイド(アリ、ゴキブリ、シロアリの駆除)として使用が認められており、フィプロニルの種子処理における登録の失効はこれに影響は与えません。
*注:蜜蜂の大量死につながるとして、養蜂者や環境保護団体が適用に反対した結果、禁止となる。
【質問2】EUでは、登録失効にともない、すでに販売されている手持ちのフィプロニル製剤への措置はどうなったか。使用は許されるか。回収されるか。
[回答]欧州の規制(1107/2009)に基づき、フィプロニルは2017年9月30日に登録が失効しました。BASFは2018年3月31日までにフィプロニルを用いた種子処理製品の商品化を停止します。これらの商品は当局により規定された売り切りの条項に基づき、2019年3月31日まで使用が可能です。
【質問3】EUでの登録失効や変更は、日本でのフィプロニル製剤の販売に、どのように反映されるか。−以下略−
[回答]EU内でのフィプロニルの種子処理における登録の失効は他の国・地域の登録内容に影響を及ぼしません。(以下略)
BASFはフィプロニルを日本国内で輸入販売している会社のうちの1社です。
同社が日本国内で販売しているフィプロニル製剤の製品は、2017年10月現在以下の通りです。として、商品名「プリンス」の農薬8製剤(種子処理適用なし)とシロアリ防除剤「セプティバDRY」をあげました。
★農水省の不誠実な回答
BASFと同じ質問1と2についての農水省の回答は、EUの情報を見よと、HPのアドレスを挙げたのみですし、EUでのフィプロニルの原体製造はBASFだけか、他のメーカーがあれば教えてほしい、との問いには、EUでの原体製造メーカーは、承知していないとのつれない返事。
また、日本へのフィプロニルの輸入について、相手国やメーカー名を尋ねても、日本でのフィプロニル製剤の販売については、メーカーの問題であり、当方では承知していない。農薬の種類別の原体及び製剤の輸入数量については、輸入国やメーカーについては公表していない、ですって。
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作成:2017-11-26