農薬の毒性・健康被害にもどる
t31703#食安委は吸入毒性を評価しているのかの質問に明確な回答なし#18-01
【関連記事】記事t31303、記事t31504(厚労省へのクロルピクリンに関する質問)
反農薬東京グループ:食安委への質問と回答
【参考サイト】食品安全委員会:Top Page、農薬専門調査会
2017/12/23開催の第70回評価第三部会にある審議状況一覧(ADIやARfDのリストあり)
食品安全委員会(以下、食安委)は、自ら「中立公正な立場で科学的なデータに基づき、食品中に含まれる食品添加物や農薬食中毒原因微生物等が人の健康に及ぼす悪影響の程度を評価する内閣府のリスク評価機関です」と述べています。
しかし、「食品中に含まれる」となると、たとえば、農薬散布後に大気中にただよう農薬については、どう評価しているか、17年末に質問しました。回答は、食の安全ダイヤルからで、もう一つ中身がありませんでした。
成分ごとのADIやARfDの一覧表を教えてほしいとの質問には、「食品安全委員会ホームページに、農薬専門調査会各部会(第一〜第四)の「資料1」として、審議が終了した農薬の一覧とADI及びARfDがとりまとめてあります」として以下のアドレスの資料が記されていました。
この表によると、たとえばクロルピクリン(以下、クロピク)は「2017年6月15日、部会で継続審議、追加資料要求中。提出期限2018年10月30日」と示されていました。まだ、ADIもARfDも決まっていないことがわかります。
■食品からの摂取しか評価しないのか
続いて、以下の3点について聞きました。
@食品からの摂取しか評価しないのか。
A非食用作物にのみに適用される農薬成分について、登録の際の毒性試験の提出やADIやARfDの設定状況は、食用作物の場合と同じか。
B農薬使用者やその家族、散布近接地で生活する人への影響は、食品ルート以外に、経皮、経気ルートからの摂取することになるが、その評価をどう考えているか。
これに対する回答は、食安委が人への健康影響を評価し、厚労省が残留基準を設定している。農薬の環境への影響は環境省が担当していると、人を喰った回答しかありませんでした。
ADIは一日にこれ以下なら、一生涯とり続けても、安全とされる数値であり、これには空気も水も含まれているはずです。厚労省が残留基準を決める時に食品はADIの80%、水は10%、その他は10%として計算しているとのことですが、ADIを設定するときに、吸入毒性をどう評価しているのか聞いているのに、明確な回答はありませんでした。
■クロルピクリンはどうなのか
クロピクに関しては、「2017年6月に、厚労省から残留基準策定のための、食品健康影響評価が求められている。周辺住民の食品残留以外のルートによる急性的な健康影響だけでなく、長期・経気的な影響評価も実施されたい」との質問に対しては、回答はありませんでした。
また、食安委への質問やパブコメは500字という制限があり、それ以上だと何度もわけて出さなければなりません。科学的な意見を述べよといいながら、あまりにも少ないという意見に対して、食安委は、システムの容量の関係上我慢せよとの回答でした。
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作成:2017-12-27、更新:2018-03-31