環境汚染にもどる

t31707#あわれ!ミツバチはどこへゆく〜巣箱が30℃を超えると蒸殺の危険#18-01
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【参考サイト】農水省:2016年度農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況にあるミツバチ被害詳細
       日本養蜂協会;Top Page日蜂通信2017年10月

 農水省が発表した2016年の農薬危被害報告には、ミツバチの事例が30件掲載されています。すでに、同省は昨年6月に「平成28年度の農薬が原因の可能性がある蜜蜂被害事例報告件数及び都道府県による蜜蜂被害軽減対策の検証結果」として、公表しています(記事t31101参照)が、その時の都道府県別被害数30の内訳は、北海道13、福島4、秋田と島根3、岩手、栃木、群馬、石川、福岡、熊本、宮崎各1件で、各自治体がとった対策とその検証が一覧で示されました。今回の報告では、被害場所や原因農薬名は示されず、下表のように、発生時期と被害状況の記載がありました。
表 2016年の月別ミツバチ被害状況 (被害数/箱は、1巣箱あたりの被害頭数)
時期  被害箱数 被害数/箱   時期  被害箱数 被害数/箱  時期  被害箱数 被害数/箱
7月中旬  6(1)*     600      8月中旬  20(#)  10000     8月中旬  65(12)  1000-2000
7月中旬  6(#)      300     8月中旬  53(1)   4000     8月中旬 125(18)  2000-3000
7月下旬  30(10)  20000      8月中旬  40(#)  10000     8月中旬 50(8)  2000-3000
7月下旬  8(#)    2000     8月中旬  70(40)  10000     8月中旬 80(#)    1000
8月上旬  15(#)  10000     8月中旬  93(56)  9800     8月中旬  19(1)   20000
8月上旬  27(10)   3000      8月中旬 110(60)  6000     8月下旬  40(#)   20000
8月上旬  10(#)   500     8月中旬  45(10)  2800     9月上旬  70(#)    1000
8月上旬 35(5)   2000     8月中旬  22(4)   700     9月中旬  24(6)    500
8月中旬 21(10)  2000     8月中旬  50(-)   軽微     9月中旬  43(1)    3000
8月中旬  50(#)   6000      8月中旬 100(-)   軽微     10月中旬   2(1)   7000
  *( )は最大規模の被害がでた巣箱数で、#はすべての巣箱が同等被害であることを示す。
★退避できないミツバチの対策
 前述の検証結果では、前年に比べ、被害数がへった理由として、一番多かったのは『情報の共有(提供)に基づく対策の実施(巣箱の退避、巣箱の移動や巣門の閉鎖 農薬散布時間の変更、農薬の使用の工夫(粒剤)等)』で47都道府県中38ありました。
 農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門の木村澄さんは、養蜂者からの『様々な理由で巣箱を退避できない』『巣門を閉めることによって蒸殺が起こるのではないか懸念がある』との声に応え、巣門を閉めた際、蜂群蒸殺が起こるかどうかの試験を行い、 日なたでは、巣門を閉めるとすぐに巣内温度が上昇し、蒸殺の危険があるが、巣箱にファンをつけたり、蚊帳をかけるとよい、としています。
 1万頭以上のミツバチが大量死する巣箱があるのに、退避できなければ、巣箱にファンをつけろ、蚊帳をかけろというわけです。どうして、農薬散布をやめ、無農薬蜜源を作れといわないのでしょう。

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作成:2017-12-27、更新:2018-03-31