反農薬東京t31905

t31905#松江市：いまだ、水田除草剤由来のダイオキシン類が地下水を汚染している#18-03
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　　^電子版「脱農薬てんとう資料集」No.8＜ダイオキシン含有農薬とＰＯＰｓ系農薬＞

　廃棄物処理法では禁止されている野焼きは、農産廃棄物については例外規定があるため、全国各地の水田圃場や農地などで雑草やいなわら等の野焼きがやまず、火災誤認煙害による周辺住民の健康被害、微粒子による視界不良による交通事故をひきおこす原因のひとつとなっています。特に、塩素含有農薬が残留している農産廃棄物や雑草、土壌での加熱・燃焼により、ダイオキシン類が発生する危険がありますが、環境省は調査したこともありません(記事t31605参照)。
　さらに、野焼きだけではなく、農薬由来のダイオキシン類汚染は、登録失効後20年以上たつのに、いまだ、水田圃場に残留し、地下水を汚染している実態があります。その一端を報告します。

★松江市の井戸水汚染はＰＣＰが原因
【参考サイト】島根県：松江市上宇部尾町における地下水の環境基準値の超過について
　　　　　　　　　　　　　　　第一報（2016/11/22)、第二報（2017/01/16)
　　　　　　　環境省：ダイオキシン類対策の頁

　反農薬東京グループの質問と県の回答

　すこし古い話になりますが、2016年10月、島根県が実施した地下水のダイオキシン類を検査した結果、松江市上宇部尾町の地下水(井戸水)から環境基準値(1pg-TEQ/L)を超えるダイオキシン類1.2pg-TEQ/Lが検出されました。汚染源を調査した県環境生活部廃棄物対策課にその後の状況を含めダイオキシン類調査について、問合せました。その概要を紹介します。

　　【質問１】当該井戸水のダイオキシン汚染について、以下の事項を教えてください。
　　　(1-1)井戸は、どのような場所にありましたか。また、飲用に使われていましたか。
　　　　[回答]井戸は、宅地の敷地内にある井戸です。また、飲用に使用されていたものではありません。

　　　(1-2)ダイオキシン類の同族体・異性体別の詳細な調査結果を教えてください。
　　　　[回答]当該井戸の地下水については、２回測定しております。
　　　　　１回目1.2pg-TEQ/L（PCDDs 1.1pg-TEQ/L、PCDFs 0.12pg-TEQ/L、Co-PCBs 0.0044pg-TEQ/L）
　　　　　２回目1.0pg-TEQ/L（PCDDs 0.90pg-TEQ/L、PCDFs 0.14pg-TEQ/L、Co-PCBs 0.0014pg-TEQ/L）
　　　　　詳細な結果につきましては、国の環境GIS（地理情報システム）にて公表される予定ですので、
　　　　　そちらをご確認ください。

　　　(1-3)水田除草剤に由来する成分とされていますが、汚染原因となる水田除草剤は、どのような成分か
　　　　　　（ＰＣＰ、ＣＮＰ、その他）を、その根拠とともに、教えてください。
　　　　[回答]８塩化ダイオキシン(OCDD)が高く検出されたため、ＰＣＰに由来するものであると
　　　　　推測されました。

　　【質問２】ダイオキシン類を分析された周辺土壌はどんな場所のものか教えてください。
　　　　　また、当該土壌のＴＥＱ値及び調査結果の詳細を教えてください。
　　　　[回答]宅地の敷地内にある当該井戸の周辺50cm以内の土壌を採取しました。
　　　　　その毒性等量は11pg-TEQ/gであり、OCDDが高く検出されましたが、地下水の
　　　　　環境基準超過の主原因と断定できるものではありませんでした。

　　【質問３】その後、当該井戸及び周辺土壌について、どのような対策をとられましたか。
　　　　[回答]地下水の環境基準超過が確認された後に、当該地域の方々に井戸水の飲用を控えるよう
　　　　　呼びかけを行いました。
　　　　　当該地域におけるダイオキシン類の汚染範囲と原因を調査するため、当該井戸、
　　　　　周辺の井戸（4箇所）、当該井戸の周辺土壌について追加調査を実施しました。
　　　　　周辺の井戸と土壌については、環境基準超過はありませんでした。

　　【質問４】2017年にも、地下水の分析を実施されましたか。調査結果を教えてください。
　　　　[回答]周辺の井戸において、地下水の測定を実施しましたが、環境基準超過はありませんでした。
　　　　　測定値につきましては、国の公表をお待ちください。

作成：2018-05-30