子宮ガンとしては典型的なものです。胃とならんで、ガンが最も好んで発生する部位です。女性に発生するガンのおよそ3分の1ぐらいは、この子宮頸ガンなのです。
発生年齢については、どのガンについてもいえるように、大部分(約90%)は35歳以上で、そのうちでも、40歳代が最高、ついで30歳代と50歳代が同じくらいで、減少の傾向にあります。
発生の誘因としては、前に述べたこととほぼ同じことがいえますが、大多数は既婚者であることと、そのうちでもお産の経験のある人、さらにはお産の回数が多い人ほど、発生率が高い結果になっています。そして、分娩回数の多い人ほど、発生の年齢が若く、早期に発生する傾向がみられます。
これは、分娩のときに起こる子宮頸管部の裂傷や、子宮膣部がいたんでしまうことによって、子宮膣部びらんや、慢性の子宮頸管炎になりやすいことに、関係があるのではないかと考えられています。
また、ユダヤ人女性には子宮頸ガンがほとんどみられないことから、包茎の人の陰茎の包皮内にある一種のあかであるスメグマが、発ガンの誘因になるのではないか、とも考えられています(ユダヤ人の習慣として男児が生まれるとすぐ、割礼といって陰茎の包皮を切り取ってしまうので、包茎の男性は一人もいない)。
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