■生活習慣病  血管の詰まり」にミミズの成分

 

増え続ける現代人の脅威「血管の詰まり」にミミズの成分が

 

万病を引き起こす「血栓症」

日本人の病気の七割は血栓症が原因だといわれている。死亡率のトップは悪性腰瘍(ガン)だが、これと並んで致死率の高い心疾患・脳疾患の多くは、血管性疾患によるものだ。血栓症は、徐々に進行していくガンと違い兆候が見えにくく、突然、重篤な疾患を引き起こし、心筋梗塞や脳内出血などで死に至るケースも少なくない。しかも血栓症は急速に低年齢化し、脅威はより我々に身近なものとなっている。 
 血管は、身体のすみずみへ酸素や栄養を運び、体内にたまった老廃物を運び出す生命活動のパイプ役を担う。心臓や肝臓などのあらゆる臓器を覆う血管、また血管そのものにも張りめぐらされた毛細血管を血液が通って、滞りなく循環することで体内の新陳代謝は行われている。
しかし、この大切な血管も、二十五歳を過ぎる頃から老化が始まる。血管壁には脂質などの不純物がたまり始め、血管内がだんだん狭くなっていく。これが、目に見えない部分での血管性疾患の始まりとなる。
 血管性疾患とは、血管の中で、血栓といわれる血液の固まりが引き起こす症状。血栓は、フィブリノーゲン(繊維素原)というタンパク質が活性化されたフィプリン(繊維素)を主とした固まりで、血小板、白血球などが血管の内壁に固まり、それが血流によって、はがれて出来る。
 身体が正常なときには、この血栓のもととなるフィプリンを溶かす働きをする「線溶酵素」が血栓予防をしてくれるが、線溶酵素が不十分になるとフィブリンを溶解出来なくなる。するとスムーズな血流を阻害する血栓が増え、この血栓が毛細血管に入り込むと、血管にフタをして血流を止めてしまい、脳でならば脳梗塞、心臓でなら心筋梗塞を引き起こす。


世界で認められた効果

「ルンブルキナーゼ」は、血栓症予防のために線溶酵素の研究を長年行ってきた美原恒氏(元川崎医科大学副学長・第二生理学教室教授)が、血栓を溶解する特殊な酵素として、自然界の中から発見。1983年7月にストックホルムの国際血栓止血学会で発表し、世界の注目を集めた。
 その後も国際的に学術研究が継続され、日本では糖尿病治療剤・血圧調整剤・抗高脂血症剤・製造法−の特許四件を取得。世界的には中国、米国、カナダ、EC諸国など世界23ヵ国で特許を取得している。
 さらに韓国では、1988年から医薬品としての認可を受け、使用されている。その効果は、すでに世界的に認められているのだ。
副作用がなく常用出来るのが大きな特徴
血栓を溶解するには、これまで注射薬のウロキナーゼが使用されてきた。ウロキナーゼは、血液中の成分に働きかけて溶解物質をつくり出して、血の掴まりを溶かすもので、投与量を間違えれば血栓だけでなく、血管も溶かして内出血を引き起こす副作用もあるため、投与は病院で医師が慎重に行ってきた。
 これに対して「ルンブルキナーゼ」は、血栓を直接溶かす新タイプの酵素で、血栓のもととなるフィプリンだけを直接溶かす。このため、内出血を引き起こすような副作用はなく、血栓を安全に、確実に取り除くことができる。
 また、フィプリンだけを直接溶かして、止血源であるフィブリノーゲンは溶かさず、余分に摂取された酵素は体外へ排出されるため、安心して常用できるのが大きな特長だ。
 しかも、世界で初めて、内服剤として経口投与が可能なため、家庭で手軽に血栓症や血栓が原因となる、さまざまな生活習慣病の初期治療・予防にも期待が大きいのだ。
糖尿病根本治療薬としても開発に期待感
厚生省の糖尿病実態調査によれば、発病の一歩手前の人も含めると、日本人の約一割が糖尿病に関与しているといわれ、糖尿病はいまや「国民病」ともいえる規模となっている。急ピッチで増加する糖尿病は、身体の至るところに合併症を起こすやっかいな病気。自覚症状がないため知らない間に動脈硬化が進んでいる危険性も。糖尿病予備軍で肥満のある人は、すでに患者と同じくらいの段階に達し、正常な人より二十歳以上も動脈硬化が進んでいるとの検査結果もある。 現在、インシュリンによる対症療法しかないとされるこの糖尿病についても、「ルンブルキナーゼ」が根本的療法につながるのではーと大いに期待されている。 日本では現在、医薬品としては開発途上で、まだ医薬品として認可されてはいないが、栄養補助食品の成分としては認められ、一部では、すでに製品化されている。     薬日新聞より抜粋

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