家族への影響も深刻
受動喫煙の影響を調べた疫学研究も多数あります。
図1は、米国で、職場での受動喫煙の期間と、肺がんを起こすリスクを調べたもので、期間が長いほど、
肺がんのリスクが高くなることが報告されています。
また、故平山雄先生(元予防がん学研究所所長)の研究によれば、喫煙者の夫がいた場合、非喫煙者の妻が肺がんになるリスクは、夫が非喫煙者のときを1とすると、一日1〜14本の喫煙で1・42倍になり、15〜19本の喫煙では1・53倍、20本以上で1・91倍にもなるという結果が出ています。
また、子どもへの影響も深刻です。
厚生省の研究によれば、乳幼児が何の前触れもなく突然死んでしまう、乳幼児突然死症候群(SIDS)は、妊娠後も両親がたばこを吸い続けると、起こりやすくなることが明らかになっています(図2)。
世界の先進国中では、日本の男性の50%を越える喫煙率の高さは際立っています。
また、二十〜三十代の女性の喫煙率が少しずつ増加を続けており、その影響が心配されています。
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