■生活習慣病  食事療法

食品交換表

 

外食での注意


 残すものをすばやく計算する

 自分がよく食べる外食メニューが、どのくらいのエネルギーで、どの食品が不足し、何が多すぎるのかを、勉強しておく必要があります。1日の指示量を考えて、何をどれだけ食べ、何を残したらよいかをすばやく頭の中で計算しながら食べるようにします。
 特に宴会やパーティーで、多種類、多量の料理が出たときには、食べてよいものと残すものを選別できれば、外食であっても、摂取エネルギーのコントロールが可能です。
 男性に多いのは、家庭で妻がいくら食生活に気を配っていても、外で気ままに食べたり、飲んだりするために、少しも食事療法の成果が上がらないパターンです。外食の多い人ほど、本気で外食の食べ方を自分で勉強しないと、糖尿病のコントロールは望めません。

 外食は1日1回に抑える

 糖尿病世代は働き盛りでもあり、昼夜2回の食事を外食という生活をしている人がたくさんいますが、健康のことを考えると、外食はなんとか1日1回までに抑えてほしいものです。1日1回なら、あとの2食で訂正して、バランスをとることもできますが、2回外食となると、
栄養バランスの修正がなかなかききません。できれば外食のうちの1食は、手作り弁当持参などで野菜をたっぷりとり、塩分の調整を心がけたいものです。

● 外食で望ましいのは定食物

 単品料理よりは、定食物のほうが、栄養のバランスがとりやすい利点があります。不足しがちな野菜がたくさんとれるメニューを選びます。
 ざるそば、たぬきそばなど、糖質と脂質だけの単品で1食をすませることは禁物です。単品なら、五目焼きそばや、なべ焼きうどん、具の多い魚介スパゲッティなどを選び、できれば、サラダや小鉢物の野菜を追加注文します。また駅のスタンドなどで、牛乳1本補っただけでも、栄養のバランス瀕調整できます。

● 和食メニューはエネルギーを抑えるのに最適

 糖尿病の食事は、エネルギー制限が必要ですから、和風の定食、幕の内弁当などを選ぶのが無難です。
 ただ、天ぷらやとんカツは、吸油量が多くなりますから、衣をとって食べるか、ほかに刺し身、焼き魚などの定食があれば、そちらを選びます。酢の物、野菜の煮物などを追加注文でできれば理想的です。外食の場合、ごはんの量は一般に多めですから、量に気をつけながら食べます。

● 素材のわかるものを選んで食べる

 外食メニューは、家庭の料理にくらべると内容不明なものが多く、意外にエネルギーや塩分が多いことがあるので、目で見て、素材が何かわかるものを食べるのが無難でしょう。ギョーザ、ハンバーグなども中身がはっきりせず、ひき肉を使ったものは脂肪分も多いので、できれば控えたいメごユーの一つです。
 最近は、日本にいながらにして、世界各国の料理が食べられますが、やはり中身が不明なものは、控えたいものです。

アルコールとおやつのとりかた

● アルコールも1日の総エネルギー量に入る

 アルコールを飲んでよいのは、血糖値が落ち着いていて、重い合併症のないときです。1日に日本酒1合、ビール中びん1本、ウイスキーはダブルで1杯程度が許容範囲とされています。
 仕事上のつきあいで、酒席に出なければならない場合は、アルコールのエネルギーも、1日の総エネルギーの中に入ることを考えて、コントロールしましょう。パーティーでは、会話を楽しむ工夫をして、なるべく自分がすすめ役に回ってしまうことです。
 どうしても飲めない場合は、率直に体の事情を話せば、このごろは同病相憐れむ人も多く、そうでない人でも、こと健康にかかわることですから、納得してもらえると思います。
 お酒を許可されている場合でも、食品交換表を参考に、1日2単位(160kcal)以内におさめましょう。

● おやつは″甘いもの″という考えを捨てる

 男性のアルコールに対して、女性の場合は、おやつや間食に問題がある場合が多く見られます。
 しかしおやつにも利点があって、糖尿病の食事療法に取り組み始めた当初は、空腹感がつらいのですが、おやつを食べることで、まぎらわせることができます。
 食事の間隔があきすぎる場合は、むしろ血糖をコントロールするために、軽く食べたほうがよいこともあります。
 ただし、おやつも間食も1日のエネルギーの中に含まれるので、100kcalを越えないようにしましょう。おやつは甘いものという考えを捨て、甘みの少ない果物、ヨーグルト、牛乳、手作りゼリーなどを食べるようにすればエネルギー量も抑えられます。

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