■生活習慣病 補中益気湯ほちゅうえっきとう

 

《補中益気湯》
ほちゅうえっきとう


 

 

<中医処方解説>

黄耆4.0、当帰4.0、人参4.0、白朮4.0、柴胡5.0、升麻2.0、
大棗2.0、陳皮2.0、甘草1.5、生姜1.0

 

補気健脾の人参・ 白朮・陳皮・甘草は気の生成を強め、固表の白朮は黄耆を
補佐します。柴胡・升麻は陽気を昇発し、補血の当帰は、気の運行を助け、
いずれも黄耆を補佐します。

 

効能         補気健脾・升陽虚陥・甘温除熱

適応症       中気下陥・清陽不升:元気がない・疲れやすい・四肢がだるい・
            動作がおっくうである・立ちくらみ・頭の鈍痛・眠くなる(とくに
            食後)・頭がボーッとする・汗をかきやすい・息ぎれ・
            便秘あるいは泥状〜水様便などの症候、あるいは胃アトニー・
            遊走腎・脱肛・子宮脱・ヘルニアなど。舌質は淡紅・脈は虚大。
            脾不統血   :脾胃気虚の症候とともに生じる少量かつ
            (気不摂血)  間歇的に持続する出血で、下半身や皮下の
                     出血が多い。婦人では月経周期の短縮や
                     過多月経が生じ、経血はうすいことが多い。
                     舌質は淡紅〜淡白・脈は虚大。
            気虚の発熱:慢性にくり返す微熱で精神的・肉体的疲労に
                    ともなって発生する。頭痛・悪寒・自汗などが
                    みられることもある。脈は洪大で沈取すると
                    無力。舌質はやや紅・苔は白。
臨床応用      低血圧症・起立性失調症・慢性頭痛・自律神経失調症・
            慢性胃腸炎・慢性肝炎・筋無力症・胃アトニー・脱肛・
            子宮脱・遊走腎・ヘルニア・慢性の出血症・産後の
            子宮復古不全・月経過多・頻発月経・不正性器出血・
            アレルギー性紫斑病・血小板減少性紫斑病・慢性の微熱・
            病後あるいは手術の回復期・その他の慢性疾患などで、
            脾胃気虚・中気下陥の症候を呈するもの。

 

この漢方薬は、補剤の王者として別名医王湯と呼ばれ、胃腸の働きを高め、
体力を補い元気をつけます。即ち、虚弱体質、食欲不振、病後の衰弱、
疲労倦怠、夏負けなど体力増強を目標に本方が適用されます。元気がなく、
胃腸の働きが衰えて疲れやすいものの次の諸症=虚弱体質、疲労倦怠、
病後の衰弱、食欲不振、ねあせ。

 


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