「川柳の楽しみ」について書いてみました。Here's an essay I wrote on Senryu.
川柳の楽しみ
Pleasure of Senryu
川柳自句自選
恥ずかしながら私のつくった川柳の中から好きなものを選びました。
どなたか添削してください。
お互いの手のひらに住む心地よさ |
また馬鹿を言ってと本音さぐる妻 |
子のいない日曜妻と静かすぎ |
何事も俺が悪くてすべて無事 |
わが妻になりたい生まれ代わったら |
赤い糸いつかくさりのようになり |
お互いに白髪抜くのが上達し |
・ ・ ・ ・ ・ |
産声にほとばしりでるエネルギー |
三歳で涙は武器であると知り |
幼児の指に届いた天の川 |
先生が言ったと親を黙らせる |
吉凶のはざまをゆれて待つ合否 |
娘(こ)のしぐさ妻に似てくる孤独感 |
つけた名と少し違った娘(こ)に育ち |
妻と娘(こ)の間に入る余地がない |
娘(こ)が巣立ち我が家こんなに広かった |
今日もまた雪かと思う子の任地 |
・ ・ ・ ・ ・ |
厳しさの足りぬ分だけ親しまれ |
ストレスと無縁の顔で上司おり |
ネクタイをゆるめ本音があふれでる |
善人の証拠で嘘がすぐばれる |
群集の中に入れぬ自我意識 |
同僚に似た顔もある熱帯魚 |
吊革のとなり読むのが早すぎる |
ラッシュ時の良い朝そばに美女がいる |
体力が落ちた分だけ口をだす |
定年が一斉にくる分譲地 |
あのときに買えばよかった上げ相場 |
・ ・ ・ ・ ・ |
兄弟の要に今も母がおり |
看病をするほど母は小(ち)さくなり |
回復の兆しを探し耐えている |
おふくろの麻痺を揉んでる幸もある |
紙オムツ長い悲劇の幕が開く |
射るように心見透かす痴呆の目 |
・ ・ ・ ・ ・ |
それぞれの思いもあろう虫の声 |
フィナーレへとんぼ豪華な交尾する |
ゾウリ虫の末に連なるわが生命(いのち) |
団体のつらさもあろう渡り鳥 |
人間が狂牛とよぶやさしい目 |
こおろぎのきゅうり少しで命終え |
死ぬ暇もなさそう蟻は這い回り |
薄命をゆるゆる歩くかまきりよ |
体内をみな声と化し蝉は落ち |
・ ・ ・ ・ ・ |
亡き友よ君に聞きたいことばかり |
思い出を切り取るように友が逝く |
・ ・ ・ ・ ・ |
一人寝の明日は目覚めぬかもしれぬ |
散骨も良いかも知れぬ海の青 |
初体験死んでみるのもおもしろい |
・ ・ ・ ・ ・ |
健康でよかった今日も酒が飲め |
ネクタイをゆるめてからが長い酒 |
酒豪家の看板すこし重くなり |
・ ・ ・ ・ ・ |
激辛麺食べて体に活を入れ |
確率論証明されたはずれ券 |
千年の古都でお寺の多いこと |
実力の足りない分を願う絵馬 |
静けさを手話はことばで埋め尽くし |
ケータイにぎっしりつまるお友達 |
パソコンの中に小人の国がある |
ケータイを読み物にしたeメール |
ご近所が上下にもある都市に住み |
日本はやっぱり長い花便り |
拾われる日を待っていた石に会う |
住所不定でもケータイとeメール |
白黒をつけぬ文化の心地よさ |
人が人殺し平和のためという |
真ん中でバランスをとる富士の山 |
・ ・ ・ ・ ・ |
初日の出別の自分が見えてくる |
人形はあやつる人を知らず舞い |
悲しみも風化するから生きられる |
影だけはいつも隣にいてくれる |
小人らがこころの森でどんじゃらほい |
十五夜を見ればこころもまるくなる |
脳みそを分解掃除してみたい |
悲しい夜胎児のようにまるく寝る |
世も末と言われ続けて今日があり |
新世紀も同じ顔して生きてます |
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