環境汚染にもどる
t10102#相も変わらぬPRTR法パブリックコメントへの行政の対応#00-04
 てんとう虫情報100号で述べた「PRTR法に係る化学物質管理指針についての意見公募」その2(意見書)の結果について、環境庁は、今回は早々と、3月末にそのホームページで「寄せられた意見に対する考え方・対応」を掲載し、方針案を若干修正して、3月30日付けで告示しました(環境庁資料)。
 意見提出者数は22(内訳は企業6件、事業者団体5件、NGO(消費者団体等の団体)1件、個人10件)だとのことで、運動体は、私たちだけだったようです。

★事故対策指針は特に必要ない!?
 のべ意見数は66件となっており、内容別では、私たちと同じような事故時の対応に関する意見が4件と最も多かったのですが、「事故に対しては、未然防止対策が重要であり、本指針により日常的な管理が実施されることにより、事故の未然防止に資するものと考えます」として指針案通りで充分だとの見解が示されました。しかし、人為ミスによる事故や自然の災害により予期せぬ化学物質の漏洩が起こることは、たとえ万にひとつであっても、その際の対策を予め講じておく必要があります。
 指針に事故などに対する具体的指針が盛り込まれなかったことで、将来、事故が発生し環境に被害を及ぼす事態が生じた時、その法的責任を行政は問われることになるでしょう。このことは、私たちが農薬に関する事項として述べたいくつかの意見について、今回のパブリックコメントの対象外とかたづけられたものについてもあてはまると思います。
 今後とも、行政のパブリックコメント募集については、すぐには、解決しなくとも、積極的に、しかもしつこく意見具申していく積もりです。

★限られた情報でS−421を評価
 一方、S−421が指定化学物質に選定されなかった根拠に対する答え次のようなものでした。
『今回物質の選定に用いた情報源では、有害性を示すデータが確認できなかったということです。(なお、通産省の情報で製造・輸入量は10t未満でしたので、製造・輸入量からも選定基準に満たなかったことになります。)対象物質については、「科学的知見の充実状況及び排出量データの把握の状況等に応じて定期的に見直しを行なうべきである」と答申にも明記されていますので、その際に改めて諸情報を収集・検討したいと考えております。』
 要するに、S−421に対して、限られた情報源をあたった結果、毒性データをみつけられなかったというにすぎないことがわかります。製造・輸入量が少なくても、一般環境よりも室内汚染が進行し、母乳汚染が見られるような有機塩素系物質については、もっと、入念な毒性調査をするべきでしょう。早急に見直しを実施してもらいたいものです。
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作成:2000-04-28