街の農薬汚染にもどる
t11405#公園砂場の塩素水消毒で、町田市から回答−実測データなしで実施するのは問題#01-05

 町田市が、公園砂場の消毒処理に塩素水を使用することに関して、前号で市の担当課に質問状を送付しましたが、4月27日付けで文書回答がありました。

 町田市の説明によると、93年に、小さな子供を持つ母親の団体を中心に、市長に対して砂場の衛生管理対策を求める4000名を越える請願書がだされ、緊急対策として、砂の入れ替えを決定したことが、砂場の衛生管理のはじまりだということです。
 その後、さまざまな比較検討と試行錯誤を重ねてきたものの、砂場に限った専門的な管理方法・基準等は、未だ確立されないまま、94年度から、塩素水処理を採用して、現在に至っているという経緯があるようです。

 回答をみると、科学的な実測データは示されず、はたして、病原菌や回虫に対してどの程度効果があるのか、また、塩素処理によって有害物質の発生はあるのか、ないのかなどについて、納得のいく説明はありませんでした。これでは、塩素水処理は、単なる気安めの、税金の無駄使いということになってしまいます。砂の天地返し、太陽光による殺菌、ゴミや犬・猫のふんの除去など、薬剤を使用しない管理を十分にし、砂遊びのあとの手洗いの励行で、対応してみてはいかがでしょう(記事t09603参照)。
 以下に、回答の要旨を示しておきます。みなさまの判断材料にしてください。

@塩素水処理に使う化学物質は?
【回答】次亜塩素酸ナトリウム水溶液に水を加え、30〜50ppmの濃度に薄めます。−中略− 作業終了後の残留塩素は1ppm以下にします。

A処理の効果は?
【回答】残留塩素が0.1ppm以上で大腸菌類は死滅するとされています。具体的なデータは持ち合わせていませんが、水道法・東京都水道局の水質項目等を参考にしています。今後、当市としても、実際の作業を基にした、塩素水消毒の効果に関する、検査実施を検討したいと思います。
【コメント】データをとった上での、処理方法の決定では、なかったようです。立派な保健所がありながら、いままで、効果についての調査も実施したことがないなんて、驚きです。

B塩素水と土壌中の固体酸との反応で塩素ガスの発生は?
【回答】いままでに、本市において、塩素ガスが発生した例はありません。

C塩素水と植物が腐食したフミン系物質との反応で、トリハロメタンが発生する危険は?
【回答】本市の砂場管理委託契約において、塩素水散布の前に、小動物等の糞・落枝葉・ゴミ等の除去を行なっていますので、フミン系物質等の有機物は混入されていないと考えています。従って、トリハロメタンの発生の心配はありません。
【コメント】これも、実験データをとれば、明白になることです。台所布帛やまな板の次亜塩素酸ナトリウム処理では、トリハロメタンだけでなく、ダイオキシンが生成しているので、心配です(記事t07604参照)。

D砂場について、蒸気や熱水処理の検討は
【回答】当市ではしていません。
【コメント】さまざまな比較検討・試行錯誤を重ねたという割には、検討していないというのもふに落ちません。

E砂場が原因と思われる健康被害について
【回答】健康被害は1件もありません。
【コメント】健康被害の実例がないのに、どうして、消毒しなければならないのでしょう。

F塩素水を無害とする理由について
【回答】砂場の衛生的・安全的基準を、口から摂取する水道水の基準(残留塩素1ppm以下)を参考にしています。当然、手に触れる砂場の砂に対しても無害であると認識しています。
【コメント】砂場に水道水を散布するだけで十分ということ? でも、水道水には、塩素処理のせいで、トリハロメタンが含まれていることお忘れなく。

G塩素水が付着したままの砂場で子供が遊ぶことの危険性について
【回答】消毒直後の残留塩素が1ppm以下となっていますが、塩素自体が揮発性が高いため、長時間塩素としての効果が保たれているとは考えられません。−中略− 94年から現在まで、アレルギー症等の疾患は一件も報告されておりません。
【コメント】やっぱり、塩素ガスは発生して、いるということでしょうか。これでは、一ヶ月間、殺菌効果は持続することも疑問です。
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作成:2001-06-23