環境汚染にもどる
t12604#モザンビークの未使用農薬問題で、「食糧増産援助を問うネットワーク」に賛同を!#02-03
 モザンビーク洪水被害者支援ネットワーク等の市民・NGOが設立した「食糧増産援助を問うネットワーク(略称2KRネットワーク)」から、賛同を求める呼びかけがありました。【資料】にネットワークの設立趣意書を載せておきます。

 モザンビークではODA(政府開発援助)で供与された農薬が現地に放置されている問題も顕在化しており、私たちが、昨年5月、農水省にたいして、開発途上国での廃・未使用農薬等に関する質問・要望書を送ったこと(記事t11502参照)と、大いに関連するため、呼びかけに直ちに賛同するとともに、先の質問に対する十分な回答を得ていないこともあって、あらためて、モザンビーク2kr問題を追加して、再質問を行いました。

  【追加質問】
ODAによりモザンビークへ供与された農薬について、どのような農薬がどこにどれ程、送られたか明らかにしてください。
 1990年以後同国へ農薬を提供した農薬メーカーはどこかなど、農薬種類別・数量・金額 ・供与年月日・供与先・農薬提供者のリストをお示し願いたい。
 また、農薬要覧によるとモザンビークへの農薬輸出金額は、以下のようになっており、報道にある97年度のODAによる農薬援助金額の約5億円とは大きなへだたりがあります。要覧の数値にODAによるものが含まれていますか。含まれていないならば、貴省へ報告がないのは何故かも、合わせてお答ください。
    年度   1993  94 95 96  97  98  99 00年
    輸出金額 29.1 12.3 - 71.8 42.9 59.9 58.0 - 
                         (単位100万円)
 さらに、現在、どこにどのような種類の不用農薬がどれほど存在するか調査の上、明かにされたい。加えて、不用農薬の処理をどうするかのお考えもお示し願いたい。

★モザンビークで放置された農薬の実態は
 いままで、NGOの手で明かになっているモザンビークへのODA供与農薬は、モノクロトホス(88,89年度)、ベノミル(90,91,93,94年度)、マンゼブ(87,89,91,93,94,95年度)、フェニトロチオン(86,93,94,96,97年度)などです。
 モザンビークに入った共同通信記者の記事によると、同国北部のナカラ港には、船舶用コンテナに入れられた放置農薬の大半は日本の援助であることを示す紙やマークがついており、扉を開けると異臭が鼻をつくそうです。中部ベイラの倉庫でも日本供与のフェニトロチオンなど農薬五種類が山積みされているとのことです。
 97年度分を最後に食糧増産援助を中止するまで、日本は最大の農薬供与国の一つであり、推定500トンの農薬在庫があるといわれています。在モザンビーク日本大使館は、モザンビーク側の農薬受け入れ機関が変わったことや税関手続きの厳格化が重なり、農薬の流通が滞ったことを農薬放置の理由としています。
 97年の時点で、モザンビークは、デンマークの援助で大量の未使用農薬をセメント炉で焼却処分する予定でしたが、国際的な環境NGOや地元NGO・住民の反対で、99年5月一時的に焼却計画は停止されました。
 現地NGOリバニンゴのアウレリオ・ゴメス代表は「まず日本は、どこにどれだけの期限切れ農薬があるのか詳細な調査を実施するべきだ」と話しているとのことです。

★後日談−質問に対するあきれた回答
 上記質問にたいして、文書で回答するよう求めたところ、4月8日下記の文書がファックスできました。
【回答】
 前略、平素より農薬行政に特段の配慮をいただきまして御礼申し上げます。
  さて、先日からご質問いただいている件につきまして、下記のとおり関係する資料を送付しますので、ご査証下さい。

                 記

 まず、ODAによる農薬援助:食料増産援助については、外務省が所管しており、別添1にあるように、外務省が回答している文書を公開していたので、参考までに送付します。
別添1は「食料増産援助(2KR)に関する質問主意書政府答弁衆議院HPからダウンロードしたもの)」
 なんと、辻元清美議員の質問主意書と政府答弁だけ。農水省は、農薬輸出に関連する通達で、輸出数量の報告や海外で農薬による被害報告を製造業者に求めており、それに基づいた農水省の資料をだせといっているのに、他省が公開している文書しかよこさないとは何事かと直ちに対策室に電話しました。以下そのやりとりの一部です。−省略−
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【資料】食糧増産援助を問うネットワークHPにある食糧増産援助を問うネットワーク設立趣意書
    ヨハネスブルグ・サミットへの提言

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作成:2002-09-25