t12902#要望に応え、東京都が杉花粉発生抑制パイロット事業延期を決定−使用薬剤に発癌物質混入の恐れ#02-06
★5月31日に、パイロット事業中止を緊急要請
【東京都産業労働局宛ての要請文】
5月30日付の毎日新聞や河北新報等の報道によりますと、農薬
メーカーの日本ヒドラジン社が、マレイン酸ヒドラジド系化合
物を成分とし、ニンニク等の発芽抑制に適用されている登録農
薬C−MHに、発癌性のヒドラジンが混入する恐れがあるとし
て、製剤の販売を中止し、自主回収に乗り出しているとのこと
です(詳しくは記事t13207)。
東京都におかれましては、林業試験場の杉花粉発生抑制のため
の研究で、マレイン酸ヒドラジド水溶液を使用し、今年度から、
農薬としての登録がないまま、大規模なパイロット事業を計画さ
れています。
私たちは、以下の理由で、
『今年度の杉花粉発生抑制パイロット事業の中止を求めます。』
回答のほどよろしくお願いします。
@パイロット事業で使用される薬剤にヒドラジンがどの程度含有
されており、かつ、保存中にその量がどの程度変化するか。また、
薬剤が環境中で、どのような挙動を示すか不明なまま、事業計画
を実施するのは、問題である。
A薬剤を調合したり、杉にセットする作業者の健康への影響が危
惧される。
Bパイロット事業で、都有林や公園の杉にセットされた場合、薬
剤の管理が万全に行なわれるかどうか疑問である。
Cたとえ、杉花粉発生抑制に効果があったとしても、農薬メーカー
が販売を中止したような薬剤を、今後、農薬登録して、製造販売
することは困難であり、実用化は期待できないと思われる。
★6月11日に東京都から、7月以降に実施する計画になっていた事業を延期し、半年かけて、薬剤の安全性を確認するための分析試験を実施する旨の回答を得ました。
【参照】