環境汚染にもどる
t13706#東京都と山形県でディルドリン等の土壌汚染判明#03-04
 山形県と東京都で、相次いで、四半世紀も前に使用が規制されたドリン系農薬の土壌汚染が発覚しました。これらは、いずれも、キュウリに残留基準を超えるディルドリンが検出されたことが契機になり、調査が実施されたものです。

★山形県で、0.07ppm以上のディルドリン汚染地が7ヶ所
 山形県農林水産部は、昨年12月にキュウリ栽培地150地点でドリン剤の土壌分析を実施しました。これは、同県のキュウリ半速成栽培と無加温栽培地の合計292カ所の約50%にあたります。
 1月17日に公表された結果、ディルドリンは27ヶ所(18%、内検出範囲0.01〜0.06ppmが20ヶ所、0.06以上が7ヶ所)、エンドリンは14ヶ所(9%、検出範囲0.01〜0.05ppm)の土地で検出されました(登録失効農薬の土壌残留のサンプル調査結果と対策の検討について)。山形県は、前者で0.06ppm以上検出された7ヶ所、後者で0.01ppm以上検出された14ヶ所をキュウリの栽培を止めて、転作するよう指導しました。また、県は、県産キュウリの安全性と信頼性を確保するため、今後は関係団体と連携し役割を分担しながら、全ての販売農家を対象にして土壌残留農薬分析を実施していく方針を示しています。

★東京都では、最高2.6ppmの土壌汚染が
 昨年7月末、東京都は多摩地区で栽培されたキュウリのディルドリンの残留に関して、農地の土壌調査をすること等の方針を示していましたが(記事t13105c参照)、2月6日に、産業労働局がその調査結果を発表しました(都内土壌の残留農薬調査の結果について)。

 02年9月2日から10月9日の期間に、都内16JA(9区26市3町1村)管内の農地から採取された814検体の土壌調査で、85検体(10.4%)からディルドリン、3検体(0.4%)からエンドリンが検出されました。このうち、本年作付予定地は200検体で、ディルドリンが22検体から、エンドリンが2検体見出だされ、検出範囲は、ディルドリンが0.01〜2.60ppm、エンドリンが0.01〜0.12ppmでした。
 同時に実施した聞き取り調査によると、検出された土壌の畑では、約30年前までアルドリン乳剤・粉剤やエンドリン乳剤を麦、果菜、葉菜、根菜ならびにイモ類に使用していたということです。

 東京都は、「汚染された土壌についてはキュウリの作付をせず、花き類など他の作物に転作するよう、JAと協力して指導する。」など3つの方針を発表しています。

 昨年4月、農水省は通知で、BHCやディルドリンで汚染された古畳を敷きワラや飼料、堆肥への使用しないよう注意を喚起していますし(記事t12912c参照)、ディルドリンをシロアリ防除剤として使用した時期もあり、農薬以外の汚染源を忘れてなりません。
 また、調査で土壌汚染が発覚した農地はPOPs汚染地として、その所在を明らかにし、汚染土壌の浄化を実施し、根本解決を図る必要があります。
購読希望の方は、〒番号/住所/氏名/電話番号/○月発行○号からと購読希望とかいて、 注文メールをください。
年間購読会費3000円は、最初のてんとう虫情報に同封された振替用紙でお支払いください。

作成:2003-07-26