1980年代には、メシマコブ培養菌糸体の熱水抽出物を使って抗癌作用を確認、エールリッヒ腹水ガン、肝臓ガン、胃がん、肺がん、胆管ガン、結腸ガン、直腸ガン、子宮ガンの研究を行った。エールリッヒ腹水ガンのマウスの研究で、メシマコブ培養菌糸体の熱水抽出物とコントロール(生食水)を比較した結果、メシマコブがマウスの延命率、延命日数を著しく高めることがわかっている。
きのこの多糖体を用いたガン治療には、カワラタケ(クレスチン)、シイタケ(レンチナン)が既に実用化されているが、植物由来の抗がん性多糖体に共通しているのは、がん細胞に対して直接的な細胞毒でなく、人間が本来持っている免疫システムを活性化させるということだ。メシマコブには、多糖類、核酸、脂肪酸、アミノ酸、酵素などが含まれている。
現在までにわかっている作用機序はマクロファージの活性を介してT細胞を活性化し、インターロイキンをはじめ多数の免疫活性物質を放出する。メシマコブの培養菌糸体抽出物は、強力な抗癌免疫増強作用を発揮、免疫機能を担うリンパ球のB細胞やT細胞、NK細胞などの働きを増大させ、サイトカイン産出を高める働きがある。その結果、人体の免疫機能が高まり、抗癌作用を発揮、ガンに対しては、予防効果がある他、化学療法による副作用を減少させ、手術後に化学療法剤と併用することでも抗がん効果が著しく増強する。
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