現在の医学が癌患者に行う治療は、がん細胞を攻撃すると同時に、患者の気力や体力も奪ってしまう。外科手術や抗がん剤投与、放射線療法などで、いくらがん細胞を攻撃しても、患者の気力や人間としても尊厳までをも根こそぎ奪うような治療法では、何の意味もなさない。そこで、本来誰もが持っている自然治癒力に主眼を置いた、代替医療に取り組む医師たちは、治療法にも選択肢を持たせ、患者のQOLを重要視している。その治療法の一つ、免疫療法に、医師が活用し始めたことから注目されているメシマコブ。日本原産のきのこで、新しい健康食品素材として期待されるメシマコブは、きのこでは最強とされる抗腫瘍活性を示しながら、栽培、培養が難しく、量産ができずにいたが、韓国の製薬メーカーが世界ではじめて培養に成功、医薬品としての実績を作り、日本では昨秋登場した。現在、臨床応用も進められている。 |