■生活習慣病  糖尿病検査

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高血糖の状態を放置しておくと、恐ろしい合併症がおこります。失明する場合もあれば、死期を早めることもあります。合併症が出るということは、すでに症状がかなり進行してしまっています。
合併症で代表的なものは、
網膜症腎症 神経障害で、三大合併症といわれています。

 


 
B 糖尿病の合併症の有無・程度を調べる検査
● 網膜症 ・・・・詳しくは・・・>>>
眼底検査
 糖尿病性網膜症は,現在失明の原因の第1位にあげられています。
網膜症が出てこないように、糖尿病の状態を良くしておくのと同時に、もし出てきてしまったら
これ以上進行させないように管理していく必要があります。
そのためには眼底検査を定期的に受けて、自分がどのような状態にあるのかを知っておく必要があります。
● 腎症 ・・・・詳しくは・・・>>>
尿中微量
アルブミン検査
 早期腎症の出現をチェックするのに役に立ちます。正常値は20mg/g・Cr以下です。
早期の腎症であれば,血糖および血圧のコントロールで完全に治ることも不可能ではありません。
尿タンパク検査
 早期腎症がさらに進行すると,尿中微量アルブミンだけでなく尿の蛋白も陽性となります。
最初のうちはときどきしか認められなかった尿の蛋白も,腎臓の働きが悪くなるにつれて、
しだいに持続性の状態になってきます。
このような顕性腎症の時期になると、完全に正常な状態に回復させることは困難となってきます。
また、今までの治療方針とは異なり、食事療法においては塩分および蛋白質の制限が必要となり、
さらに運動療法を行なうことも禁止されます。このような状態まで悪くならないように努力していきましょう。
血清クレアチニン検査
 尿蛋白が検査のたびに陽性(持続性蛋白尿)となり、腎臓の働きがさらに悪化して
正常の3分の1以下になる、いわゆる腎不全期になると、このクレアチニンの値が上がってきます。
正常値は1.0mg/dL以下ですが、この値が5.0mg/dLを超えるようになれば、末期腎不全の
状態と考えられ、近い将来、治療として人工透析を考える必要があります。
クレアチニン・ クリアランス
  この検査も腎臓の働きがどの程度であるかを知るために行なわれます。
身体にたまった不要なものを尿としてどれだけ出しているかを調べる検査です。
70〜100mL/分あれば問題はないと考えられます。糖尿病のコントロールが
長期にわたって不良であれば、この値は徐々に低くなっていきます。
検査のたびに10mL/分以下という状態であれば,人工透析による治療が必要になります。
● 神経障害 ・・・・詳しくは・・・>>>
末梢神経伝導速度
 身体に与えられた刺激は、末梢神経を伝わって私たちに感じられるようになりますが、
糖尿病により神経が障害を受けると、この刺激の伝わり方が遅くなってきます。
この伝わる早さを調べる検査が末梢神経伝導速度です。腕にある正中神経の
運動神経伝導速度が50m/秒以下、感覚神経伝導速度が45m/秒以下の場合は、
しびれなどの自覚症状がなくても神経障害が始まっていると判断できます。
振動覚閾値
  神経の働きの中には,ものが振動しているのが感じられるという感覚が備わっています。
神経障害が悪くなるとこの感覚も低下してきます。
簡単な方法としては音叉を使う方法や振動覚測定器を使う方法があります。
アキレス腱反射
 神経障害が起こるとアキレス腱反射が消失します。
神経障害の有無をみるのに簡便な方法として有用です。
呼吸心拍変動係数
血糖コントロールが悪い状態が長期にわたると、細い神経である自律神経も障害を受けるようになります。
自律神経は心臓・血管・胃腸などの消化器・泌尿器などを調節する役割をになっており、その調節がうまく
いっていれば、通常私たちはその働きを意識せずに生活しています。
しかし、この神経が障害を受けることにより、身体の調節がうまく行かなくなるため、さまざまな症状が出現してきます。
 一般的には立ちくらみといわれる起立性低血圧や発汗の異常、胃腸の異常による便秘・下痢・腹部の不快感・
インポテンツ・尿の出具合の不良などがその症状として上げられます。低血糖症状を自覚できなくなるのも
自律神経障害によるものと考えられます。
この重要な自律神経の働きを検査する方法として、呼吸心拍変動係数があげられます。
 これは、安静にしたときと深呼吸したときの心電図を比較して、脈拍に変動が起きているかどうかを調べるものです。
正常では深呼吸したときに脈拍の変動が大きくなりますが、自律神経に障害が起きると、この変動が少なくなります。


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