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t10703#緊急要請:PCB含有蛍光灯を早急に撤去せよ#00-10
10月4日、東京都八王子市の陶鎔小学校で、天井蛍光灯に使用されている安定器が破裂し、中に含まれていたPCB絶縁油が、児童4人に降りかかり、他の児童たちも異臭で気分が悪くなるという事故が起こりました。同市では、99年10月恩方中学校、2000年5月中野北小学校でも同様な事故が発生しているとのことです。
私たちは、環境庁が「PCB処理の推進について(PCB混入機器等処理推進調査検討委員会中間報告:97年10月30日)」を公表し、パブリックコメントを求めた際に、いくつかの意見を述べましたが、その中で『97年3月11日鳥取県城北高校でPCB入りコンデンサーをもちいた蛍光灯から、液漏れがおこり、生徒が体の異常を訴えましたが、その原因はなんでしたか。PCBはどの程度漏れたのですか。このような蛍光灯のPCB含有液漏れは、1987年12月18日大阪府堺市の学校でも起こっています。PCBを使用している古い型の蛍光灯は、早急に回収すべきだと思います。現状調査と回収計画をお示しください。』という質問・要請を行ないました。回収について、環境庁からは『廃棄物となったPCB含有製品については、排出事業者によって適正に処理又は保管されることが必要であり、また、使用中のPCB含有製品については、耐用年数のきたものから順次適正保管に移していく必要がある。』との回答しか得られませんでした(記事t07203、記事t08002)。
その後、私たちのグループの辻・河村共著による児童向け書籍「親子で読む 環境ホルモンってなあに?」(毎日新聞社1999年刊)の中でもこの問題をとりあげ、警告を発してもいます(環境ホルモン本)。
今回破損した蛍光灯は1967年製と報道されていますが、本来なら欠陥商品としてリコールすべき電気機器業界は、蛍光灯を30年以上も使用することなど想定していなかったと、無責任なことをいっています。
PCBが化審法で製造禁止されたのは、1974年ですから、現在使われているPCB含有蛍光灯はすべて、25年以上が経過しているものと思われます。
アスベストが発がん性であることが判明して以来、学校関係の建物に使われているアスベスト含有建材の撤去が実施されていますが、PCB含有蛍光灯ついては、最初の事故が87年であったにもかかわらす、回収の取組が遅々として進んでいないように見受けられます。環境庁のいう蛍光灯の耐用年数が、壊れて使用できなくなる時とすれば、由々しき問題です。八王子市の学校で連続して事故が発生しているのをみると、もはや、すべてのPCB含有蛍光灯は耐用年数が過ぎていて、何時、破損事故が起こっても不思議でない状況にあると考えられます。
PCBは、POPs系の環境ホルモンの一種であり、このまま使用を続けると、環境汚染がさらに拡大し生態系や人の健康に重大な影響を与える恐れがあるため、私たちは、環境庁/厚生省/文部省/通産省に対して以下の要求をしました。
@学校や公共施設関係だけでなく、すべてのPCB含有蛍光灯の使用実態を調査し、使用場所と台数を特定して、公表する。
APCB含有蛍光灯を撤去し、安全なものにおき換える代替計画を示し、早急に実施する。
Bすでに保管しているPCB含有蛍光灯及び新に回収したものを、安全な処理方法が確立するまで、厳重な管理下におき、その保管場所と保管数量を公表する。
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作成:2000-10-28