ダイオキシンにもどる
t11504#ジクロロベンゼン類のダイオキシン分析−メーカー回答では不十分、市民の手で調査を!#01-06

 先に、止めよう!ダイオキシン汚染・関西及び関東ネットワークや日本消費者連盟ほかの団体とともに、当グループはパラジク及びオルトジクロロベンゼン製品中のダイオキシン含量を調査し公表するよう厚生労働省に申し入れを行なうとともに(記事t11106記事t11205)、メーカーにもデータ公開を求めてきました。
 6月10日までに、原体メーカーである三井化学、呉羽化学、保土谷化学からダイオキシン分析データが、事務局の関西ネット宛てに送付されてきました。また、複数の製剤メーカーから回答がありましたが、独自の調査は実施されておらず、原体の分析を今後行なうようにするとの答えだけでした。

★メーカー回答は、数値操作ですべて検出限界以下
 公開されたデータには分析チャート図の添付はなく、単に17種のTEF(2,3,7,8−四塩化ダイオキシン毒性等価換算係数)の決められたダイオキシン・ジベンゾフランの同族体と12種のコプラナーPCBについて、いずれも検出限界を示す数値とTEQ値が明かにされただけでした。
 表(−省略−)にそのデータの一部を示しますが、同族体毎の検出限界が一定でなく、TEFを乗じたTEQ(2,3,7,8−四塩化ダイオキシン毒性当量)値の検出限界が同族体・異性体毎にそれぞれ0.01ng/g(=10ppt)以下になるよう数値操作がなされています。検出限界は、いままで農薬について調べられたより、10分の一低く設定されていますが、同族体の種類によって10pptから1万pptの幅があります(コプラナーPCBでは、100〜10万pptの幅)。検出限界はもっとも低い方に統一し、当グループが、かねがね、主張しているように、TEFの決められている17種だけでなく、他のダイオキシン類についても分析結果を、生のチャート図を含めて明かにすべきだと思います。
 また、パラジクは身につける衣料用品の防虫剤ですから、ダイオキシン類が混入していた場合、影響は大です。そのため検出限界も、もう1桁下げてpptレベルで論議する必要があると思います。
 検出限界を下げるということは、表の中でかりに、3種の六塩化ダイオキシンの実測値が各々0.099ng/gであった場合、現在の検出限界0.1ng/gでは、すべて検出されないとされ、毒性当量はすべて0.01ngTEQ/g以下と評価されますが、検出限界を0.001ng/gとした場合、3種合わせて0.297ng/gの濃度になり、毒性当量は合わせて0.0297ngTEQ/g=29.7pptと有意に評価されることになります。

市民の手によるジクロロベンゼンのダイオキシン調査にカンパを
 以上のような、メーカー実施の不十分な分析をクロスチェックする意味で、当グループは、厚生労働省や東京都に独自分析をすることを求めるとともに、消費者独自でダイオキシン調査を実施するよう下記のカンパ活動に参画していますので、ご協力のほどを!

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 呼びかけ文 【家庭用防虫剤等のダイオキシン調査にカンパを】 2001年5月15日

 −前略−
 ダイオキシンの未発見の汚染源を掘り起こし、それを取り除くことは極めて重要です。
 特に日本人は汚染が高い魚介類をたくさん食べる上に、PCPやCNPのような除草剤由来のダイオキシン汚染という欧米諸国にはない問題を抱えていますから、なおさら重要です。さらに、ジクロロベンゼンは、農薬、医薬品、染料、香料等の合成中間体としても用いられていて、それらの安全性にも関係があります。その意味でも極めて重要な調査です。
 ダイオキシンの分析には多額の費用が必要です(1件当たり少なくとも15万円)。
「止めよう!ダイオキシン汚染・関西ネットワークは独自に助成を環境事業団に申し込みましたが、結果は楽観できません。
 また、仮に全額助成が認められても、分析のための費用は150万円であり、原体製造メーカーだけで6社、市販品製造メーカーはもっと多い事を考えると、決して十分とはいえません。皆様方の絶大なご協力をお願いする次第です。

1口 1000円(何口でもかまいません)
郵便振替口座番号:00970−7−122252
加入者名   :ダイオキシン調査基金

 なお、どの会社のどの製品を分析するか、分析条件(検出限界の設定等)等の詳細は、後日、募金の状況などを考慮して、下記の呼びかけ団体の間で相談して決定します。 どしどし、ご意見をお寄せください。

  呼びかけ団体(50音順)

 エル・コープ(代表:石田紀郎)
 環境監視研究所(研究員:中地重晴、川嵜悦子)
 関西水系連絡会(代表;山國田廣、事務局:本間都)
 ごみ・環境ビジョン21(代表:江川美穂子、運営委員:三島佳子)
 ダイオキシン九州ネットワーク(世話人:荒川龍昇)
 止めよう!ダイオキシン汚染・関西ネットワーク(代表:中南元、事務局:山崎清)
 止めよう!ダイオキシン汚染・関東ネットワーク(代表:佐藤禮子、事務局:藤原寿和)
 日本子孫基金(事務局長:小若順一)
 日本消費者連盟(代表運営委員:富山洋子、事務局長:水原博子)
 日本消費者連盟関西グループ(連絡先:山崎昌子)
 反農薬東京グループ(代表:辻万千子)
 淀川水系の水質を調べる会(代表:中地重晴、事務局:山田晴美)

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作成:2001-06-23