「生活環境で使用する殺虫剤等の規制に関する法律」関係にもどる
t10501#生活環境を有害化学物質から守るために新しい法律を作ろう#00-08
★シロアリ防除剤−業界・行政自浄能力なし
 シロアリ防除剤として多用されている有機リン系殺虫剤クロルピリホスの使用中止を求めた要望書に対する回答は、行政も業界もノーでした(記事t10502)。反農薬東京グループは1997年から使用中止を求めてあらゆる機会に訴えてきましたし、6月にはアメリカで子供への影響を配慮して使用中止を含む規制が発表されたばかりです。日本でも子供を大事に思うならば、当然、使用禁止にすべきものです。行政も業界も自浄能力はありません。

★やまない自治体の安易な散布
 アメリカシロヒトリ駆除のために使用される農薬のずさんな散布が問題となり、農水省ですら「農薬の適正使用は農業生産の安定のみならず、国民の健康の保護及び生活環境の保全の観点からも極めて重要」と、通達を出しているにもかかわらず、全国各地で同じような安易な農薬散布が続けられています。最低限、ラベルに書かれている使用方法が守れないようなところでは、農薬散布そのものをやめるべきです。実際に農薬散布をする末端市町村は毒性すら勉強しようとしません(記事t10401参照)。
 ハエ、カの駆除は伝染病予防法が廃止され、法的根拠がなくなったにもかかわらず、夏中、町内会や業者によって散布され続けています。実際にどのような効果があるかすら検証されておらず、大方は環境を汚染した上に税金の無駄使いとなっています。既に、ハエ、カ駆除をやめた自治体はやめたことによって何ら不都合はないと言っています (街の農薬汚染参照)。

★ゴキブリ退治の殺虫剤の危険
 保育園、学校、病院、老人ホーム、図書館、美術館、その他の施設や交通機関(電車、バス、飛行機等)でのゴキブリ等の害虫退治と称する殺虫剤散布で、実際に健康被害が出ています。やめてほしいと要望しても、実施者は「今までずっとやってきたから」などと取り合おうとしません(記事t10504参照)。

★規制対象外の身近な殺虫剤
 不快害虫(最近、業界は生活害虫と呼んでいる)用殺虫剤と銘打って、誰も毒性のわからない家庭用殺虫剤が堂々とスーパーやホームセンターで売られています。あくどいコマーシャルによって虫さえ殺せば快適環境が得られると思いこんでいるのか、あるいは、自分が被害を受けないと毒性に気がつかないのか、消費者は安売りで大量に買い込み、環境を汚染した後、余ったものの始末に困っています。農薬と同じ作用をするのだということが知らされていません(記事t10506参照)。

★いつまでつづくトイレボール
 発ガン性のあるパラジクロロベンゼン(パラゾール)が一般環境以上に生活環境を汚染し、人体に蓄積され、血液や母乳からも検出されているのに、衣料用防虫剤やトイレボールにまだ使用されています。アレルギーや化学物質過敏症の人に非常な苦しみを与えているにもかかわらず、厚生省は製造禁止にしません(記事t08903参照)。

★非農耕地なら無登録でいいと
 非農耕地用農薬ならば、無登録でもかまわないと、どこで誰が作ったのかも不明の除草剤が登録農薬の半分以下の値段で売られています。農地以上に非農耕地での使用の方が生活環境に近く危険であるにも係わらず、何の規制もありません(記事t10505参照)。

★研究・調査なし
 生活環境での農薬や化学物質使用によってどれくらい空気が汚染されているのかという調査すら十分ありません。そもそも、空気中の農薬濃度がどれくらいなら急性、慢性の被害を受けないのかという研究もありません。それらが二次汚染をして食べ物や飲み物を汚染しているかもしれませんが、それらは無視されています。まして、環境ホルモン作用を持っている物質が大気中にどれくらいあるのかもわかっていないのです。

★もう黙って耐えるときではない
 あまりにも無防備であまりにも無責任です。もう、一つ一つの化学物質を規制する段階ではありません。これらを全部ひっくるめて生活環境における化学物質の規制を始める時期です。モグラたたきにも疲れました。実効のあるきっちりした法律を制定するため運動を始めましょう。
 とりあえず、反農薬東京グループは「生活環境における有害化学物質規制を考える議員と市民の会」を立ち上げ、活動を開始しようと考えています。
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作成:2000-08-25