■生活習慣病 代替医療 メシマコブ
 03/03/14
 


 

 

「他のキノコと成分が異なる」
キノコ類の主成分は多糖体(単糖がたくさん結合した高分子化合物)と呼ばれるものですが、その中でもグルコース(βーグルカン1〜3)に有効成分が含まれていると考えられてきました。実際、キノコ由来の免疫賦活剤(健康食品)の多くは、このβーグルカンの抗がん作用を謳い文句にしています。
ところが、「メシマコブ」に含まれるグルカンコース(βーグルカン)は、一般のキノコに比べてそれほど多くありません。例えば、保険薬として認められているカワラタケのクレスチンと比較しても、他の糖の割合が高いことがわかります。(下の表参照)。
メシマコブの多糖体には、次のような特徴があります。
1.主要構成糖は、グルカンコースよりも、マンノースやガラクトースの占める割合が高い。
2.α(1−> 4)。β(1−> 6)の結合を持った酸性ヘテロマンナンタンパク複合体である。
3.分子量が150KD(約15万個)と他のキノコ(分子量100KD)より大きい。
このように、構成糖、結合方式、分子量などの違いに、高い抗がん作用を発揮する秘密が隠されていると考えられているようです。

今なぜメシマコブが有望か

メシマコブの生育には桑の木に含まれる熱水抽出性の成分を必要とするが、この成分は他のキノコ(例えばレイシ・シイタケ・カワラタケ)の生育を抑制する働きがあり、あらためてメシマコブの優れた有意差を浮き彫りにしている(鶴崎一水:薬用キノコの人工栽培に関する研究、日林九支研論集、No.49,1996.8)。
外科的治療によっても回復できないであろう癌患者に対しメシマコブを経口的に投与して、その抗腫瘍効果やQOLの改善を胃癌、肝癌、各種癌につき治療観察している報告がある。
その結果は免疫療法剤だけでガンを治したり和らげたりする事の出来る確率は高いとは言えないが、現在免疫療法剤としての医薬品の許可が大変厳しい目でみられている時代にあってメシマコブの成果は燦然と光っている( 山名征三:免疫アジュバンドーメシマコブ多糖体の人癌に対する使用経験、診察と新薬、119〜123,胃癌術後患者に対する免疫化学療法の評価、診察と新薬、124〜127、免疫アジュバンドーメシマコブの肝癌に対する使用経験、診察と新薬、124〜127,免疫アジュバンドーメシマコブ多糖体の各種癌患者に対する使用経験、132〜137)。
メシマコブはタバコウロコタケ料キコブタケ属のキノコで桑の木に生育するので「桑黄」とも呼ばれ利尿作用のある漢方薬として用いられている(古川久信:きのこ学、p331、共立出版、1992)。近年その優れた抗腫瘍効果が注目され栽培研究が進められており、日本で大量栽培が可能になるものと期待されているが、いち早く韓国の韓国新薬において大量栽培が可能に成り、薬価も許可され薬として販売されています。 世界で初めてキノコ効能に注目したのは国立ガンセンター研究所の池川哲朗先生と東京大学の柴田研究所室のグループです。
マウスにサルコーマ180と呼ばれる実験用の癌を移植し、担子菌類や食用菌類の熱水抽出物(煎じ汁)を腹部に注射し5週間後の癌の増殖阻止率を見ると、メシマコブが96.7%という最も高いガン増殖阻止率を示している(表1.池川哲朗他:Cann、59、P155、1986)。
 ちなみに、「優れた抗癌作用を持つと声高く宣伝されているキノコの中に、それほどでもないものもありました」と池川哲朗博士は指摘しています(池川哲朗:きのこ好きほどガンになりにくい、P156、主婦の友社、1997)。
免疫療法
免疫療法は、現在いちばん期待され、開発に力がそそがれている療法です。人体にはもともと、外部からの異物の侵入を防ぎ、万が一、異物が体内に入ってしまったときには、それを排除しようとする力が備わっています。
自己防衛の力であり、自然治癒させる力です。こうした力を充分に生かし、自分自身で癌の発生をくいとめ、ガン細胞を消滅させていこうというのが免疫療法です。
 ガン細胞を叩くためには、人間の免疫システムをいかに活性化させたらよいか、そのためにはどのような支援体制を組んだらよいかというのがこの療法の主眼です。
 外科的手術には後遺症の心配があり、放射線治療や抗ガン剤治療にも、副作用の心配があり、そのために新しい疾病をかかえこむ破目になるかもしれません。 患者自身の免疫システムを活性化してガン細胞を叩くには、後遺症や副作用の心配がなく、より効果の高い方法の発見に、熱い視線がそそがれているのです。